水素焚きガスタービンの開発
三菱重工業株式会社
概要
ガスタービンコンバインドサイクルに使用する大型ガスタービン用の水素の混焼・専焼用の燃焼器を開発する。
最新の大型ガスタービンを使用したコンバインドサイクル発電は熱効率64%とあらゆる燃機関のなかで最高の効率の実現を目指している。来るべき水素社会においても、カーボンフリー水素を効率よく利用するために、この発電方式での利用が必須となる。また、水素を発電で利用することにより、大量の水素需要が発生し、水素のサプライチェーンの構築に貢献する。
説明
燃焼器開発状況
当社グループにおいては、水素を含む燃料に対応した燃焼器の開発を1970年代から手掛けており、すでに30台以上の納入実績を有している。近年においては大型高効率ガスタービン用の高温低N0x燃焼器に対応すべくNEDOの委託・補助事業を利用しながらその開発に取り組んでいる。
天然ガスと水素の混焼用燃焼器(H2,30%vol)においてはすでに開発を完了し、今後出荷するガスタービンに標準装備する。
専焼用燃焼器については大崎クールジェンに使用しているIGCC用マルチクラスタ燃焼器をベースに現在鋭意開発中であり2024年度に開発完了予定である。
実プロジェクト例
一方、オランダにおいては当社グループ納入のガスターンコンバインドサイクル設備の燃料を水素転換するプロジェクトが2025年運開を目指して進んでいる。当社グループもこの計画に協力している。
アンモニア
水素の輸送媒体としてアンモニアの利用検討が進められているが、ガスタービンの排熱を利用してアンモニアを水素に分解し、それをガスタービンの燃料とする新しいコンバインドサイクルの開発を当社グループ内で進めている。
大型ガスタービンで水素を利用する意義
・ 高効率に利用できる。(熱効率>64%)
・ 大量に利用する。(コンバインドサイクル発電所1基でFCV200万台以上の水素消費)
・ 安い水素の利用。(不純物の許容度が大きく、各種製法の水素が利用可能)
・ 低いイニシャルコスト (最小限の改造により水素ガスタービンに転換できるので、既設天然ガス焚き発電所の低・脱炭素化が可能です。)
連携先
三菱パワー株式会社