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CO₂を分離するサブナノセラミック膜の開発

日本ガイシ株式会社

概要

 メタン(CH₄)が主成分の天然ガスには不純物として二酸化炭素(CO₂)が含まれており、精製時にCO₂を除去する必要があります。現在は主にアルカリ溶液への吸着や、高分子膜での分離により除去しています。これらの手法は高濃度のCO₂を含んだ天然ガス向けには採算性が悪く不向きなため、高性能・低コストの分離法が求められています。そこで日本ガイシは、革新的な分離プロセスを実現するサブナノセラミック膜を開発しました。レンコン状のセラミック基材の穴の表面に、1ナノ(10億分の1)メートル以下の細孔径の薄い層(DDR型ゼオライト)を均一に設けた「分子のふるい」です。この微細な穴がCO₂とCH₄のわずかなサイズ・構造の違いを正確にふるい分け、混合ガスからCO₂だけを取り除きます。

 この膜を用いて日本ガイシは、日揮グローバルと共同でCO₂除去プロセスの開発を進めています。高濃度のCO₂を含む天然ガスや、CO₂原油増進回収法(CO₂-EOR)の随伴ガスから、効率よくCO₂を分離・回収し、エネルギー-供給と環境貢献を両立し、低コストな分離プロセスを実現します。

 

説明

 日本ガイシのサブナノセラミック膜は、直径18センチ、全長1メートルの円柱状で、分子レベルの分離が可能な世界最大級のセラミックス製の分離膜です。CO₂を選択的に透過するDDR型ゼオライト膜の表面積は1本あたり12平方メートルです。ゼオライトは多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩の総称で、DDRはその一種。0.36×0.44ナノメートルの楕円形の細孔を持つ構造が特徴です。この細孔の短径がCO₂(0.33nm)より大きくCH₄(0.38nm)より小さいため、CO₂だけを瞬時に分離することができます。

 無機膜では世界初のCO₂分離・回収プロセスの実証試験を、米国テキサス州の油田で実施します。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と日揮グローバル株式会社が共同で行う「DDR膜によるCO₂分離回収技術のフィールド実証試験」に採用されたもので、2019年2月から試験設備の設計・建設を開始しており、設備完成後約1年間、実証試験が行われる予定です。

 

連携先

日揮ホールディングス株式会社

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

  

補足情報

日本ガイシ株式会社の環境の取組み

https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment/index.html

2019年02月25日リリース「CO2分離・回収用大型セラミック膜が原油随伴ガスからのCO2分離・回収実証試験に採用」

https://www.ngk.co.jp/news/20190225_10455.html

おっ!っと驚くセラミックス

https://www.ngk.co.jp/kuroko/special/index.html

 

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