IGCC技術を起点とした低炭素型安定エネルギーインフラの普及
三菱重工業株式会社
概要
資源の賦存分布、価格等の観点で安定供給が可能な石炭に代表される固体燃料をガス燃料に変換、同ガス燃料をガスタービン複合発電に適用し、高効率発電を行うIGCC(Integrated Gasification Combined Cycle:石炭ガス化複合発電)の導入・普及を通じて低炭素型発電インフラを提供する。また本技術を起点にCO2分離・回収プロセスや燃料電池を組合せることにより、発電時のさらなるCO2削減への要請にも応えられる。一方、石炭ガス化技術は、水素、合成天然ガス、肥料や化学品原料等製造プロセスとの組合せにより、安定且つ低炭素型エネルギーインフラの一部を構成しうる。以上、石炭ガス化技術を起点とする各種製品/システムの導入・普及を通じ、安定的な発電/エネルギーインフラの提供に貢献する。
説明
火力発電は今後も引き続き主要な電源である一方、将来的なカーボンフリー社会実現に向け低炭素・脱炭素へのシフトが求められている。また、CO2排出の観点より火力発電を構成する化石燃料として石炭への懸念が高まっているが、エネルギーSecurityなど各国の事情に応じて、引続き一定の比率を維持しつつ重要な役割を担わざるを得ない。IGCCは石炭をガス化し,高効率のガスタービン複合発電技術と組み合わせる世界最高水準のクリーンコール技術であり、現在500MW級の大型機普及の段階を迎えている。
本技術は従来型の石炭火力発電技術に比べ10~15%の効率向上、さらに海外の老朽石炭火力の設備更新として導入する場合は、30%以上の効率向上が期待される等、低炭素化の要請に応えるものである。
また石炭ガス化技術は、優れた低品位炭の適用性やこれまでの未利用燃料の有効活用に加え、バイオマスの混焼など燃料多様化にも貢献できる。
さらに石炭ガス化で生成される一酸化炭素(CO)や水素(H2)を主成分とするガス燃料は、既実用化済のシフト反応プロセス及びCO2分離回収プロセスとの組合せにより発電のほか、水素、肥料、メタノール等の化学品製造に適用できる。例えば石炭をガス化して得られる、炭素分を含むガス燃料に対しCO2分離回収を行い水素燃料化した場合、発電時のCO2排出量は発電力量kWh当たり100g以下の実現が可能であり、同水素は水素インフラへの供給もまた可能である。一方、CO2分離回収の程度を調整し、SNG (Synthetic Natural Gas:合成天然ガス)製造を行うことにより、既存のガスタービン複合発電プラントへの天然ガス供給も可能である。
以上、石炭ガス化技術を起点にガスタービン複合発電技術、CO2分離回収技術、化学品合成技術を組み合わせることにより世界各国、様々な状況・ニーズに応じた発電・エネルギーインフラの導入・普及に貢献する。
連携先
三菱パワー株式会社