2モータシステム用パワーユニット 「4GL-IPU」
三菱電機株式会社
概要
ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、バッテリー式電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などの電気自動車にはエンジンが主役の1モータHEVからモータのみで走行するBEVまで様々な種類があります。従来の2モータHEVはエンジン出力を併用するためモータ出力は車両出力より小さいものでした。しかし,モータのみで走行するフル電動方式の新しい2モータHEVが近年増加傾向にあります。フル電動方式では高出力化と小型化の両立が必要であり,これに対応する高放熱パワーモジュール,当社独自の昇圧回路を採用し、当社第4世代IPU(Integrated intelligent Power drive Unit)製品群におけるフル電動式2モータHEV向けの製品として4GL-IPUを開発しました。
今後もIPUのさらなる小型・軽量・高機能化にチャレンジし、環境性能と走る楽しみを両立する電動車両の普及に貢献してまいります。
説明
地球温暖化対策や排出ガス規制対応のため,HEVやBEVなど、xEV(ハイブリッド自動車、バッテリー式電気自動車など電気自動車の総称)の市場投入が続いています。三菱電機は世界に先駆け,xEV創成期の1997年にHEV用IPM(Intelligent Power Module)を製品化して以来,小型・軽量・低コスト・高機能をコンセプトに周辺機能の統合を進めたIPUの製品化を進め,トランスミッションに直接搭載可能な高耐振性を特長とする2モータHEV用IPU,並びに平滑コンデンサ及びヒートシンク内蔵を特長とする1モータHEV用IPUを量産化するなど,地球温暖化対策や排出ガス規制対応に不可欠なxEVの普及に貢献してきました。
近年,高い環境性能と走る楽しみの両立が可能な,高出力モータによる電動走行のニーズが高まっており,低速での巡航走行だけでなくフル加速や高速走行も全てモータで走行可能なフル電動式の新しい2モータHEVや,外部からの電池充電も併用可能なPHEV(Plug-in HEV)等の高出力2モータシステムが増加傾向にあります。
この背景の下,フル電動方式の2モータシステムに対応した第四世代IPUとして,電動走行用・発電用の2つの高出力モータを駆動するインバータと,システム電圧をモータ小型化に適した高電圧にする昇圧コンバータと,従来は車室内に搭載されていた12V電池充電用の絶縁型降圧コンバータをコンパクトに統合した4GL-IPUを開発しました。
出展: 三菱電機技報 2019年5月号
https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2019/1905111.pdf
補足情報
弊社「自動車機器事業本部」の環境への取組については下記のオフィシャルサイトをご参照ください。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/csr/management/social_contributions/automotive/index.html