EN

CO2回収技術を利用したカーボン・ニュートラルやネガティブ・エミッション実現への取り組み

三菱重工業株式会社

概要

当社グループは、世界トップのCO2回収技術ライセンサーとして、プロジェクトの初期段階から各社の技術検討に協力し、カーボン・ニュートラルあるいはネガティブ・エミッションの事業化に向けた支援に関わっております。

一例として当社グループは、現在英国電力Drax社が計画している、バイオマス発電所からのCO2回収・貯留プロジェクトへの技術供与を通じての参画検討を進めております。本プロジェクトは、2027年までに同社のバイオマス発電所から日量10,000トン以上のCO2を回収、北海に輸送・貯留するBECCSプロジェクト*1 計画であり、植物由来の燃料を使うことによりCO2排出量が正味ゼロ(カーボン・ニュートラル)のバイオマス発電と、燃焼排ガスからのCO2回収を組み合わせることにより、世界で初めてバイオマス発電所向けに商用規模でのCO2排出量正味マイナス(ネガティブ・エミッション)を達成できる可能性があります。

*1: BECCS = Bio-Energy with Carbon Capture Technology

説明

当社グループは、1990年から関西電力株式会社と共同で燃焼排ガスからのCO2回収技術の開発を開始、1999年にマレーシア向けに初号機を納入して以来、世界各国で13基のCO2回収プラントを納入しております。2016年12月には、米国テキサス州において、JX石油開発株式会社と米国NRG Energy社との合弁会社であるPetra Nova社向けに、世界最大のCO2回収プラント(日量4,776トン)を納入し、各界から高い評価を頂いております。

当社グループが現在参画検討を進めている英国Drax社が推進するBECCSプロジェクトは、世界初のネガティブ・エミッションを実現する大変意義深いものであります。Drax社の発電所が所在する地区では、2030年までに地区全体でカーボン・ニュートラルとすることを目標としており、Drax社は積極的に脱炭素化を進めています。また英国は、2050年までに国全体でCO2排出量正味ゼロ(カーボン・ニュートラル)とすることを目標として法制化しており、脱炭素化に最も前向きな国の一つです。

CO2回収プラントをバイオマス発電所に設置した前例は世界になく、今後、バイオマス発電所排ガスの性状・特徴を踏まえた最適化検討、小規模実証などの幾つかの技術的な検証を経て、大型商用プラント建設が可能となります。当社グループは30年間の研究開発と世界各国への商用実績で培ったCO2回収技術の提供を通じて、このようなカーボン・ニュートラル、あるいはネガティブエミッションの事業化に向けて支援を更に強化し、地球規模の温室効果ガス削減に貢献していきます。

連携先

三菱重工エンジニアリング株式会社
英国Drax社

補足情報

この会社の他の事例

IGCC技術を起点とした低炭素型安定エネルギーインフラの普及

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

QoEnTMによる質の高いエネルギーインフラの方向性の見える化

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

SMR開発(発電用、船舶用)

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

ごみ焼却施設の脱炭素化に向けた取り組み

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

アンモニア燃焼ボイラの製品化

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

カーボンリサイクルメタノール製造

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

トリプルハイブリッド発電(自立給電)システム

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

高温ガス炉による水素製造

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

次世代軽水炉(世界最高の安全・安心の確保と高い経済性を両立)

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

新冷媒による大空間および工場プロセス向けターボ冷凍機の普及拡大

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

水素焚きガスタービンの開発

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

世界最高効率大型GTCCパワープラント

三菱重工業株式会社

> 詳細を見る

類似事例

2モータシステム用パワーユニット 「4GL-IPU」

三菱電機株式会社

> 詳細を見る

AI/IoTを活用した分散電源(VPP)のデマンドレスポンス(DR)対応

日本電気株式会社

> 詳細を見る

AI制御で最大50%の基地局電力使用量を削減

KDDI株式会社

> 詳細を見る

BEMS (Building Energy Management System)

鹿島建設株式会社

> 詳細を見る

CO₂を分離するサブナノセラミック膜の開発

日本ガイシ株式会社

> 詳細を見る