AI/IoTを活用した分散電源(VPP)のデマンドレスポンス(DR)対応
日本電気株式会社
概要
電力需給バランスの変動への対応、電力の周波数維持などのための調整力を取り引きする需給調整市場が2021年に創設されます。この需給調整市場は、発電出力の変動が大きい再生可能エネルギーの主力電源化を実現するうえで極めて重要な役割を担います。
NECでは、この再生可能エネルギーの主力電源化に貢献する目的で、AI/IoTを活用し需要家側にある分散電源(VPP)をディマンドリスポンス(DR)に対応させることで調整力の提供を実現します。具体的には、NECの複数の事業所内に設置した蓄電システムに対し、すでにサービス提供で実績のある「NEC Energy Resource Aggregation(RA)クラウドサービス」を用いで遠隔で電力制御を行います。DR指令の発動から数分以内にVPPを応動させ調整力を需給調整市場に提供することを目指します。
説明
達成目標:
2025年度中に合計10MW以上の制御可能蓄電システムの導入とVPP化の実現、需給調整市場5MW以上の入札を実現。
克服すべき課題:
太陽光発電によるNECグループ内の再生可能エネルギー導入比率の拡大と、自社内のエネマネ用に設置する蓄電システムの低コスト化(グループ内製品も含む)。
具体的なアクション:
① 2020年度は、我孫子事業場に出力240kWの蓄電システムを新たに導入、玉川事業場に導入済みの蓄電システムおよびパートナー会社で導入予定の蓄電システムと合わせてRAクラウドサービスに接続。資源エネルギー庁のVPP構築実証事業にリソースアグリゲーターとして参画し、DRに対応。
② 2021年度は、自社内の蓄電システム導入拡大と他社の蓄電システムの接続拡大を目指す。合わせて取引開始が予定されている需給調整市場をターゲットに、DR対応を行い三次調整力②の入札を実現する。
③ 2022年度以降は、自社内、社外含めて制御可能な蓄電システムの拡大と、調整力の品質向上、年間調整力提供実績の増加を目指す。
④ 2024年度以降は、保有するVPPで一次調整力、二次調整力をターゲットに周波数の調整力提供(アンシラリーサービス)を実現する。
定量的な効果:
エネルギーコスト削減:数千万円/年間、Co2削減量:14t-CO2
補足情報
NEC Energy Resource Aggregation クラウドサービス サイト
https://jpn.nec.com/energy/vpp/eracs.html