アンモニア燃焼ボイラの製品化
三菱重工業株式会社
概要
CO2フリーアンモニアの供給実現を見込み、既設火力発電所(汽力)へのアンモニア混焼・専焼可能なボイラの改造工事を製品化する。
混焼・専焼により燃焼させるアンモニアの量が、CO2ゼロ・エミッション燃料の適用量となる(アンモニア専焼ならばCO2ゼロ・エミッション)。また、既存のパワーブロックを活用し発電を継続することで、慣性力・無効電力を維持できることから系統安定維持が可能な発電方式となる。
さらに既存の汽力発電所の各種設備が継続使用できるため、座礁資産化を食い止め、雇用の維持を図る事も可能となり、経済的・社会的意義も大きい。
説明
既設火力発電所(汽力)へのアンモニア混焼・専焼可能なボイラの改造工事の製品化を実現するにあたり、以下項目を、Step1、Step2、Step3の3ステップで検証を行っていく。
石炭・アンモニア混焼・専焼向け、燃焼技術の主な検証項目
過去に実施した小型基礎燃焼炉結果からCFD(ボイラ燃焼シミュレーション)を最大限活用(*)して、アンモニアを混焼、専焼した場合の燃焼速度、混焼時未燃分、NOx発生メカニズムを検証し、火炉内でのアンモニア燃焼の挙動を把握し、より高効率なアンモニア燃焼方式の開発、NOx増加対策、及び空気予熱器へのリークアンモニアの増加などの各後流機器への影響の対策を明確にする。
(*)アンモニアの価格が当面高価であることが想定され、費用対効果を最大化させるため、高度なCFD(ボイラ燃焼シミュレーション)の活用を行う。
これまでの検証
小型基礎試験炉における燃焼基礎データ取得、および実機での低混焼率での確認を実施済。
今後の検証
Step1 : 混焼率増加を想定したCFDにより実缶予測。
Step2 : 燃焼CFDを用いて混焼、専焼用バーナを開発、4t/Hr炉や実缶での実証。(想定顧客が明確になった後実施)
Step3 : STEP2検証結果に基づき、実缶におけるFeasibility Studyを実施し、混焼試験、混焼率増加試験、専焼試験と、段階を踏み実施していく。
連携先
三菱パワー株式会社