国産SAF製造によるGHG排出削減への貢献
日揮ホールディングス株式会社
概要
世界的な温室効果ガス(GHG)排出量削減への対応が急速に求められるなか、航空業界においては、国際航空分野のCO2総排出量を2020年以降増加させないことを目標としており、その具体的解決策となる次世代航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」の安定的な供給が求められています。
この状況を受け、日揮グループの総合エンジニアリング事業会社である日揮株式会社(日揮)は、パートナー企業と連携し、国内における使用済み食用油を原料とするSAF製造体制を確立し、SAFの原料調達から供給までを含むバリューチェーンを構築に向けた検討を行っています。また、SAF製造事業を拡大していくことで、GHG排出量の削減を推進し、持続可能な循環型社会の形成に貢献していきます。
説明
世界的な温室効果ガス(GHG)排出量削減への対応が急速に求められるなか、航空業界においては、国際民間航空機関(ICAO)が、2016年に国際航空分野のCO2総排出量を2020年以降増加させないことを目標として採択しており、都市ごみ、植物・動物油脂、使用済み食用油や木材等バイオマス由来の原料や、製鉄所や製油所などの排ガスから製造されるSAFの開発・安定供給への期待が高まっています。こうした状況の下、現時点における航空燃料全体におけるSAFの割合はわずかではありますが、既に欧米ではSAFを活用した航空機燃料の実用化が進んでいます。日本の航空業界においても、SAFの利用に向けた検討や実証が進められているものの、製造コストや供給安定性が課題となっており、国内における経済性の高いSAFの製造体制の確立と、原料調達から供給までの安定的なバリューチェーンの構築が急務となっています。
このような状況を受け、日揮は、パートナー企業と連携して国内におけるSAFの製造体制の確立とバリューチェーンの構築に向けた検討を、2020年1月から開始しました。
国内における使用済み食用油を原料とするSAF製造体制を早期に確立することを目指し、米国等で商業実績のある技術の適用を具体的に検討しています。SAFの原料調達から供給までを含むバリューチェーンの構築にあたっては、利用者の立場である航空会社、航空機燃料供給に関わる石油業界各社や関係官庁等との連係に加え、原料となる使用済み食用油の引き取り量の増大に向けた取り組みを強化していきます。日揮およびパートナー企業は、これらの取り組みを通じ、2020年内を目途に使用済み食用油を原料とするSAFの製造供給の事業性評価を行い、その後、同事業を拡大していくことで、国内におけるSAFバリューチェーンの構築を目指します。こうした取り組みにより、GHG排出量の削減を推進し、持続可能な循環型社会の形成に貢献してまいります。
連携先
株式会社レボインターナショナル
石油資源開発株式会社