新RO中空糸膜を用いた高濃縮技術開発
東洋紡株式会社
概要
中東地域等で、海水から飲料水を作り出す海水淡水化プラントには、1980年代から当社の中空糸型の逆浸透膜(RO膜)が採用されてきた。同地域で中空糸型RO膜が作り出す真水は一日当たり約160万トンで、640万人分の使用量に相当する。
このたび、当社は新しいRO膜を開発し、各地で実証実験を開始した。従来のRO膜に比べ、より高濃度の海水を処理することが可能なため、プラントから排出されていた濃縮海水を再利用し、造水量の向上や有価物の回収が期待できる。また、排水処理のZLD(Zero Liquid Discharge、排水ゼロ化)プロセスに応用した場合には、既存技術の蒸発法や電気透析法に比べ、20%以上の省電力/エネルギー化し、CO2の削減に貢献する。
説明
1. チャレンジ到達目標
・ 濃縮海水からの造水プラントの稼働(既存プラントの造水量増)
・ 濃縮海水からの有価物回収プラントの稼働(電気透析法比、消費電力20%削減)
・ 排水ZLD(排水ゼロ化)プラントの稼働(蒸発法比、消費エネルギー20%削減)
2. チャレンジ実現に向けて克服すべき課題
・ 前処理、後処理技術を含むシステム開発
3. 当社の具体的アクション
・ 新RO中空糸膜の性能向上
4. 定量的効果
・ 案件、時期ともに不確定のため、定量的効果は未定