バイオプラスチックの利用による大気中のCO2削減
東洋紡株式会社
概要
植物由来原料を使用したバイオプラスチックの使用量を拡大し、大気中のCO2の削減に貢献する。
従来、廃棄されたプラスチック材料は焼却などにより処分されているが、焼却の際に発生するCO2が地球温暖化の原因となっている可能性がある。産業界全体がリサイクルなどの方法により、CO2排出量の削減に取り組んでいるが、大気中に存在するCO2の削減には直接寄与しない。
プラスチックフィルム製品を数多く手掛ける当社は、CO2を吸収して成長する植物を原料としたプラスチックへの変更を積極的に推進し、大気中のCO2の削減に貢献する。当社のフィルム製品出荷に占める、バイオプラスチック含有製品の量を2030年まで段階的に増やす。2050年には全フィルム製品をバイオプラスチック化することを目指す。全フィルム製品をバイオプラスチック化することで18万トンのCO2削減を見込む。
説明
1. チャレンジにおける到達目標
・ 技術的には完成しており、原材料コストが石油由来プラスチックと同等の低廉化(あるいは消費者側への価格転嫁)で達成は可能
2030年までに、バイオプラ含有製品を全フィルム製品の5%
2050年までに全フィルム製品をバイオプラスチック化する。
2. チャレンジ実現に向けて克服すべき課題
・ 原材料コストの低廉化
・ 消費者側の環境適応化のためのコスト負担についての理解
3. 当社の具体的なアクション
・ 原材料コスト増加分を相殺して最終製品における価格への影響の最小化が必要
・ 厚み、包材構成などの変更をお客さまに定量的なデータと合わせて提案していく。
4. 実現時の定量的な効果
・ PETの場合の文献値では、燃焼時の植物由来のCO2量は0.45kg-CO2/kgとされており、大気中のCO2がフィルム中に固定化されたとみることができる。
フィルム製品1tトンあたり0.45トンのCO2を吸収する計算となる。
・ 他の原料でのバイオ化は現在のところ不明のため、他の原料でも同様のCO2吸収量と仮定すると、全社で年間10万トンのプラスチックを使用すると仮定すると、4.5万トンのCO2の吸収に寄与できる。