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フィルムのリサイクルによるCO2排出量削減

東洋紡株式会社

概要

廃棄されたプラスチック材料は、焼却などの処理により処分されているが、その焼却の際に発生するCO2が地球温暖化の原因となっている可能性がある。CO2排出量の削減に産業界全体で取り組んでおり、リサイクルなどが検討されている。

当社では電気・電子材料の製造工程などで使用される工程用PETフィルムを販売しているが、これらは実際の部品や製品の中に組み込まれることはなく、部品や製品の製造過程において産業廃棄物として排出されている。
これらの製造工程で使用されたPETフィルムは、現在は有効活用できていないが、各種方法により再生し、使用することで廃棄・焼却の際に発生するCO2を削減できる。年間1万トンの工程用PETフィルムの再生により6万トンのCO2発生を削減できる。

説明

1. チャレンジにおける到達目標
・ 「プラスチック資源循環戦略」に基づき、
2030年までに、製品の60%がリサイクル樹脂を含むものとする。
2050年までに、全製品がリサイクル樹脂を含むものとする。

2. チャレンジ実現に向けて克服すべき課題
・ 現状で技術的な課題はクリアされている。現在のバージンレジンから得られる製品に対して価格面の課題はあり。
・ 食品包装と違い、回収されたフィルムは再生が比較的容易だが、食品包装用と比べて回収できる量が少なく、経済性の面では他社のPETフィルムも含めて回収するなどのスケール効果が必要。

3. 当社の具体的なアクション
・ 他社との協業などが必要となる可能性あり、協業先の調査、募集を検討

4. 実現時の定量的な効果
・ お客さまより使用後フィルムを回収、表面洗浄し再生品として販売すると仮定。
・ 文献値より、PETフィルムは製品1トンあたり、原料の製造に3.9t、焼却の際に2.3tのCO2を発生する(合計6.2t-CO2/t)が、使用後のフィルムを1.4t-CO2/tのエネルギー量で再生しそのままフィルムとして再利用した場合、製膜でのCO2量(1.2t-CO2/t)も削減できることから、製品1トンあたり、6.0tのCO2を削減できる。
・ 年間1万トンの製品をリサイクルして再利用すると、現在から6万トンのCO2排出量の削減の効果となる。

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