水素・メタネーション
東京ガス株式会社
概要
現在、当社グループは、燃料電池の普及・拡大・更なる高効率化に関する取り組みの他に、水素ステーションの整備や工業用のお客さま向けの小型水素発生装置「suidel(スイデル)」の開発等、水素の利用分野に関する取り組みを行っている。また、利用分野以外についても、再生可能エネルギーから製造した水素製造コストを削減するための水素製造の要素技術開発、再生可能エネルギーから製造した水素とCO2から都市ガスの主成分であるメタンを合成するメタネーションの調査研究にも取り組む予定である。
説明
水素は、様々なエネルギー源からの製造が可能であり、その用途も多用であること、また利用段階でCO2を排出しないことから、ガス体エネルギーの低・脱炭素化やエネルギーセキュリティの向上に資する有力なオプションの一つと捉えている。現在、当社グループは、水素の利用分野に関する取り組みとして、燃料電池の普及・拡大・更なる高効率化に関する取り組みの他にも、水素ステーションの整備や工業用のお客さま向けの小型水素発生装置の開発に取り組んでいる。
水素ステーションについては、現在、当社グループは全4基の水素ステーションの運営を行っている。このうち、2020年1月に開所した豊洲ステーションは、日本初の燃料電池バスの大規模受入が可能なオンサイト方式の水素ステーションである。また、豊洲ステーションで製造・供給する水素は全量を「カーボンニュートラル都市ガス*1」を原料とした。日本で初めての「CO2ネット・ゼロ」を実現する水素ステーションである(日本水素ステーションネットワーク合同会社*2と共同で建設)。最新機器の導入と主要機器の二重化を行い、高い充填性能と稼働安定性を確保している。
工業用のお客さま向けの小型水素発生装置については、現在、当社グループは、オンサイト型水素発生装置「suidel(スイデル)」の販売に向けて実証試験を行っている。本装置は、水素使用量の少ないお客さまにも都市ガスを原料とした水素をオンサイトで利用を頂くことをコンセプトとしており、当社グループが家庭用燃料電池エネファーム向けに開発した都市ガスから水素を製造する燃料処理技術を活用した、5Nm3/h級の小流量タイプの水素発生装置である。カードルなどで外部から水素を調達しているお客さまがスイデルを導入することで、調達頻度削減による省力化および安価な水素製造による省コスト化が期待されている。
また、当社グループは、水素の利用分野に関する取り組み以外にも水素製造コストを削減するための水素製造の要素技術開発、再生可能エネルギーから製造した水素と工場等で回収したCO2から、都市ガスの主成分であるメタンを合成するメタネーションの調査研究にも取り組む予定である。
*1 カーボンニュートラル都市ガスは、東京ガスがシェルグループから購入したカーボンニュートラルLNGを活用したもので、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するCO2が、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)されています。対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証し、シェルグループが購入したものです。
*2 日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM):https://www.jhym.co.jp/
連携先
豊洲水素ステーションは、日本水素ステーションネットワーク合同会社と共同で建設。日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)
https://www.jhym.co.jp/
補足情報
詳細は、東京ガスのプレスリリースを参照。
「東京ガス 豊洲水素ステーション」の開所について
https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20200116-01.html
都市ガス改質型水素発生装置「suidel(スイデル)」の実証試験開始について
https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20181016-01.html