CO₂電解還元法によるC₂化合物製造技術の研究開発
千代田化工建設株式会社
概要
当社は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成30年度エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択された事業として、国立研究開発法人理化学研究所および古河電気工業㈱と共同で、再生可能エネルギーを用いてCO₂とH₂Oから基礎化成品(C2化合物)を直接製造する電解還元法によるC2化合物製造システム開発の2030年代商用化を目指した取り組みを実施しています。
本開発では、CO₂とH₂Oから基礎化成品(エチレンなどのC2化合物)を低温・低圧の条件下で、直接製造するシステムの開発を目指します。
説明
再生可能エネルギーなどCO₂フリー電力をエネルギー源としてCO₂を電気的に還元し、基礎化成品等の有用な物質に転換・再利用することは、中長期的な炭素循環方法として期待されています。しかし、従来の報告では、CO₂とH₂Oを原料とした場合、C1-C3化合物を生成することができるカソード電極材として、唯一の単体として銅が知られていますが、開発は進んでいない状況です。
既存法では、エチレン1 ton当り約11ton相当のCO₂を排出するのに対し、火力発電由来の電力ならびに原料としてCO₂を組合せることで、約3ton相当のCO₂を削減(低炭素化)が期待できます。
また、再生可能エネルギー利用の電力を用いるとすると、エチレン1ton当り、CO₂を排出せずに、量論的には逆に約3ton相当のCO₂をエチレンに固定化(脱炭素化)することができると試算されます。
本研究開発では、金属材をベースとし、同一電極上に触媒を付加した電極による反応メカニズム検討、電極材料の開発を行います。目標として、C₂H₄の生成選択率80%(@ファラデー効率基準)以上を有する触媒付加型電極の開発および開発した触媒付加型電極を組み込んだ電解槽を用いたCO₂有効利用のシステム全体の構築を目指します。
連携先
古河電気工業株式会社、国立研究開発法人理化学研究所