AIを活用した「ダム最適運用システム」の共同開発
北陸電力株式会社
概要
当社およびJFEエンジニアリング株式会社は、更なる水力発電電力量の増加を目指し、AIを活用した「ダム最適運用システム」の開発を進め、本システムの効果検証において、ダムへの水の流入量を高精度で予測でき、それを活用することで水力発電電力量の増加が見込まれることを確認した。
今後、本システムを適用するダムの対象を拡大し、更なる水力発電電力量の増加に取り組む。
説明
1.実証試験の概要
実証試験は神通川水系上流部に位置する北陸電力の浅井田ダム(岐阜県高山市)で実施。流入量の予測にはJFEエンジニアリングが独自に開発したAIエンジンWinmuSe®を活用し、浅井田ダムに関連する過去の降雨量と流入量の実績データを学習させるとともに、これまでの北陸電力の予測のノウハウと融合させながら、予測精度の向上に取り組んできた。
実証試験の結果、流入量の予測精度が従来に比べて大幅に向上することを確認。また、予測結果を活用しダム運用を最適化することで、無駄な放流をなくして早期にダム水位を回復することが可能となり、年間約500万kWhの溢水電力量※1が低減できることを確認した。
※1:洪水時の放流により発電に使用されていなかった電力量
2.今後の展開
今後は、浅井田ダムで開発した「ダム最適運用システム」を、北陸電力の神通川水系全体のダムへ対象を拡大し、水系全体で発電電力量の最大化を目指す。
また、当社の他のダムや水系への適用拡大を図るとともに、本システムをさらに高度化・進化させ、CO2を排出しない水力発電電力量の大幅な増加に向けて取り組む。
連携先
・JFEエンジニアリング株式会社
補足情報
AIを活用した「ダム最適運用システム」の共同開発
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/20061201.pdf
長期ビジョン達成に向けた北陸電力グループの取組み(2020年度)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/20043002.pdf