インクジェット技術の社会展開
セイコーエプソン株式会社
概要
当社は独自のマイクロピエゾ技術により熱を使わないインク吐出技術を確立、家庭・オフィス向けをはじめ、エプソンのあらゆるインクジェットプリンターに共通の技術基盤とした。本技術をもとに、最小限の環境負荷で社会に必要な機能を提供するインクジェットイノベーションを推進し、産業構造革新や循環型経済牽引により持続可能な社会の実現を目指す。2018年度には、インクジェットヘッドの基幹要素であるプリントチップの生産能力を3倍に高める新工場を稼働した。商業・産業印刷向けの低環境負荷製品の試作・量産工場と開発施設も2020年度初めに稼働を開始、多種多様な産業構造を革新する基盤を構築した。
説明
当社は、独自のマイクロピエゾ技術を開発し、Heat-Free Technologyと名づけた熱を使わずインク吐出するインクジェット技術の精鋭化を進めている。プリンターでは、トナーの熱定着を行うレーザープリンターよりも大幅な低消費電力を実現した。
長年にわたり培ったマイクロピエゾ技術は飛躍的な進化を遂げ、高精度なMEMS技術を融合させたPrecisionCore(プレシジョンコア)テクノロジープリントヘッドを商品化した。さらに、多様なユーザーがインクジェット技術の応用開発と新たな用途拡大に取り組めるよう、同ヘッドを用いたR&D用インクジェット装置を開発した。
当社の基本方針である「資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速」を進め産業構造の革新を図るため、インクジェットイノベーションラボ富士見を開設。インクジェット技術の新たなアプリケーションやニーズを開拓し、インクジェットの産業利用を加速させる。
また、フレキシブル基板の製造・販売を行うエレファンテック株式会社と資本提携を行い、従来の工程に比べ、使用エネルギー、水使用量、廃棄物量共に1/10を下回る(エレファンテック社調べ)革新的な製造工程でのフレキシブル基板の提供に着手した。
お客様の生産プロセスを低消費電力のインクジェット技術で革新するパートナーとなるべくPrecisionCoreテクノロジープリントヘッドの外販を進め、持続可能な社会の形成に挑戦している。
連携先
エレファンテック株式会社と資本提携
補足情報
マイクロピエゾ技術
https://www.epson.jp/technology/core_technology/inkjet/micro_piezo.htm
R&D用インクジェット装置
https://www.epson.jp/osirase/2019/191001.htm
インクジェットイノベーションラボ富士見
https://www.epson.jp/osirase/2019/190826.htm
フレキシブル基板の解説(エレファンテック社ホームページ)
https://www.elephantech.co.jp/pickups/social_impacts/
プリントヘッドの外販提供
https://www.epson.jp/osirase/2019/190326.htm