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フェロコークス

JFEホールディングス株式会社

概要

【JFEスチール(株)】
JFEスチール(株)では従来から省エネ技術開発による製鉄プロセスの高効率化、脱炭素化に積極的に取り組み、世界最高レベルのエネルギー効率を誇る製鉄プロセス技術を確立しています。さらなる省エネルギー・脱炭素化を進めるため、革新的製鉄プロセスであるフェロコークスの開発を推進しています。
フェロコークスは高炉内での鉄の還元効率を改善し、CO₂排出量を大幅に削減する技術であり、国、鉄鋼連盟と協力して推進しています。現在、フェロコークス製造量300t/dの中規模パイロットプラント設備をJFEスチール(株)西日本製鉄所(福山地区)に建設中です。

説明

フェロコークスとは、高炉内で起こっている鉄鉱石還元反応の効率自体を改善し、二酸化炭素の発生量を大幅に削減する革新的な高炉原料です。石炭と鉄鉱石を事前に粉砕・混合・成型し、連続式の乾留炉で加熱することで、内部の鉄鉱石を金属鉄に、石炭をコークスにした複合塊成物です。フェロコークスに使用する原料として、従来に比べて、品位の低い石炭や鉄鉱石の使用割合を大幅に増加できます。
高炉では、通常のコークスの一部をフェロコークスで置き換えて使用します。操業中の高炉内では、一酸化炭素(CO)による鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応の進行により、二酸化炭素(CO2)が発生しています。フェロコークス内部に含まれている超微粒の金属鉄は、このCO2がコークス(C)と反応し、還元ガス(CO)を再生成する反応(C+ CO2=2CO)の触媒となり、反応速度を大幅に向上させます。その結果、CO濃度が上昇、鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応は低温度でも進行するようになり、還元材比の大幅な低減が期待でき、省エネルギー、CO2排出削減に寄与します。JFEスチール(株)では、東日本製鉄所(京浜地区)に建設したパイロットプラントでの長期製造試験と、東日本製鉄所(千葉地区)第6高炉での使用試験により、還元材比やコークス比が計画通り低下することを実証しました。
JFEスチール(株)、(株)神戸製鋼所、日本製鉄(株)、(国)東北大学、および(国)九州大学は、2017年6月より6年間の予定で、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「環境調和型プロセス技術の開発/フェロコークス技術の開発」プロジェクトを開始しました。
このプロジェクトでは、実高炉内において、フェロコークスを長期的に連続使用した際の高炉の還元材比や操業安定性に及ぼす影響を評価する計画です。ここでの実証研究を経て、省エネルギー、高炉使用時のCO2排出量の大幅削減、劣質石炭・鉱石使用による、資源対応力強化を目的としたフェロコークス製造技術を開発し、2022年度末までに製銑プロセスのエネルギー消費量10%削減技術の確立を目指します。

連携先

株式会社神戸製鋼所、日本製鉄株式会社、(国)東北大学、(国)九州大学、NEDO

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