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隠岐諸島における再エネ導入拡大に向けたハイブリッド蓄電池設置

中国電力株式会社

隠岐諸島の主な電力設備の概要

ハイブリット蓄電池システム

エネルギー・マネジメント・システム(EMS)構成図

概要

隠岐諸島のように本土と送電線が繋がっていない離島では,電気の使用規模が小さいため,発電量の変動による影響が大きくなります。そのため,離島で再生可能エネルギー(以降,再エネ)の導入量を拡大するには,再エネ発電量の変動を調整するための蓄電池の設置などの対策が必要となります。
本プロジェクトは,平成26年度環境省採択※の補助事業として,日本初となる特性の異なる2種類のNAS電池とリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリット蓄電池システムを導入し,隠岐諸島の年間最小需要の約10,000kWを上回る,合計11,000kWの再エネの受け入れを目指す取り組みです。

※ 平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業

説明

1. チャレンジにおける到達目標
特性の異なる2種類のNAS電池とリチウムイオン電池を組み合わせた「ハイブリッド蓄電池システム」を設置することで,導入コストの低減,システム効率やNAS電池の充放電管理の改善を図りつつ,自動運転を行うなかで,内燃力発電機も一体的に制御し,余剰電力と周波数変動を吸収することで,再エネ導入拡大に取り組んでいます。
また,再エネ導入にあたっては,地元自治体の協力を得ながら事業者を公募し,PR活動も地域一体となり推進しています。
その結果,再エネ導入量をプロジェクト開始前の約2,300kWから約8,000kWまで短期間で拡大しています。
引き続き,ハイブリッド蓄電池システムの活用により電力品質を確保しつつ,再エネの導入促進に取り組むことで二酸化炭素排出量削減に貢献します。

2. チャレンジ実現に向けて克服すべき課題
隠岐諸島は,電力系統が本土と繋がっていない離島のため,電気の使用規模が小さく,電力需要や発電量の変動による電力品質への影響が大きくなる特徴があります。
太陽光や風力等の再エネは,自然条件により発電量が大きく変動するため,再エネの更なる導入拡大には,蓄電池等を活用した再エネ発電量の変動対策が必要です。

3. 具体的なアクション
(1)日本初「ハイブリット蓄電池システム」を導入した先進的な取り組み
・ 再エネ発電量の「はやく小さな変動(短周期変動)」と「おそく大きな変動(長周期変動)」の両面に低コストで対応するため,日本初の取り組みとして特性の異なる2種類の蓄電池を組み合わせた「ハイブリッド蓄電池システム」を構築しました。
・ エネルギー・マネジメント・システム(EMS)と蓄電池,内燃力発電所,再エネ設備を通信ネットワークで結び,電力需要や系統周波数等の情報を取り入れつつ,EMSから蓄電池や内燃力発電機を自動制御する需給運用を商用の電力系統で実現しました。
・ 引き続き,ハイブリッド蓄電池システムの活用により電力品質を確保しつつ,再エネの導入促進に取り組みます。

(2)地域一体となった取り組み
・ 地元自治体の協力を得ながら,空港跡地に再エネ発電事業者を公募し,大規模メガソーラーを導入しました。
・ 特設ウェブサイトやPRホール等で「最新技術と雄大な自然の融合」を切り口に,本プロジェクトだけではなく隠岐諸島の魅力を合わせて紹介することで,地域一体となり取り組みを,引き続き,推進します。

4. チャレンジが実現した場合の定量的な効果
・ 電力の供給安定性の向上
本土と送電線のつながっていない隠岐諸島で,再エネ設備や蓄電池を新たに設置することで,隠岐諸島内の電力安定性が向上します。
・ 地球環境負荷の低減
再エネ導入拡大によりディーゼル発電による発電量を減らすことで,二酸化炭素の排出が削減され,地球温暖化防止に貢献します。
・ 地域の活性化
本プロジェクトは日本初の先進的な取り組みであり,多くの方にご視察いただいております。

連携先

三菱電機(株)
日本ガイシ(株)
(株)GSユアサ

補足情報

当社の広報用ウェブ
隠岐ハイブリットプロジェクト
https://www.energia.co.jp/okihybrid/index.html

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