インテリジェントビジョンセンサー「IMX500/501」:エッジソリューションによる社会課題解決への貢献
ソニーグループ株式会社
概要
IoTの普及によりクラウドコンピューティングシステムが一般的になりつつありますが、IoTデバイスの増加と共にデータ量が増加し、IPトラフィックやデータセンターでの電力消費量も激増し、これにともなうCO₂排出量の大幅な増加が懸念されます。
ソニーが開発したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500/501」は、イメージセンサーにAI処理機能を搭載し、対象物を画像データを出力しないメタデータ (撮像データに属する意味情報) で出力することが可能です。必要なデータのみを抽出できるため、データ転送遅延時間の低減、消費電力や通信コストの削減のほか、個人が特定できる情報をセンサー外に出力しないため、プライバシーの配慮にもつながります。
説明
ソニーは、2020年5月に世界初AI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500/501」の商品化を発表しました。ソニーのイメージセンサーのキーテクノロジーである、画素チップにロジックチップを重ね合わせた積層構造を用い、AIに特化した信号処理を担うソニー独自のDSP (Digital Signal Processor) およびAIモデルを保持するメモリーを搭載しています。
IoTの普及によりクラウドコンピューティングシステムが一般的になりつつありますが、IoTデバイスの増加と共にデータ量が増加し、IPトラフィックやデータセンターでの電力消費量も激増し、これにともなうCO₂排出量の大幅な増加が懸念されます。こういった課題を解決する手段として、IoT端末などデバイスそのものでデータ処理・分析を行うエッジコンピューティングが注目されています。
ソニーが開発したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500/501」は、イメージセンサーにAI処理機能を搭載し、対象物をメタデータ (撮像データに属する意味情報) で出力することが可能です。
必要なデータのみを抽出できるため、データ転送遅延時間の低減、消費電力や通信コストの削減のほか、個人が特定できる情報をセンサー外に出力しないため、プライバシーの配慮にもつながります。
このインテリジェントビジョンセンサーをコアとした次世代ソリューションのさまざまな展開が期待されています。イタリアのローマ市では、駐車場所を探すことにより発生している渋滞とそれによる大気汚染、バスの過剰な乗車率、歩行者の信号無視による交通事故の多発などの問題を抱えています。ローマ市はこれらの社会課題の解決を目指し、現地のアプリケーション開発パートナー等とともに、インテリジェントビジョンセンサー「IMX500」搭載のスマートカメラを用いた実証実験を2021年6月に開始しています。
ソニーは今後もイメージングおよびセンシングテクノロジーを活用してさまざまな社会課題の解決に貢献していきます。
連携先
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
補足情報
ニュースリリース:AI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー 2タイプを商品化
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202005/20-037/
ニュースリリース:Sony cooperates in smart city trial project in Rome using int elligent vision sensors to reduce traffic, optimise public transportation and support pedestrian safety (英語のみ)
サステナビリティレポート2021:P62
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/library/reports/SustainabilityReport2021_J.pdf