ブロックチェーン技術を活用した電気と環境価値のP2P取引実証

関西電力株式会社

Image of Demonstration study of P2P trading using blockchain technology

概要

本プロジェクトは、2019年11月以降、FITの買取期間が終了する一般家庭のPV（太陽電池）からの逆潮流（電力系統に流れ出す余剰電力）と一般家庭のPVが発電することによって発生する再生可能エネルギーの環境価値をブロックチェーン技術を活用することで、①安い取引コスト、②高いセキュリティ、③電力会社を通さず取引当事者同志で、直接取引（P2P取引）するシステムを構築し、実証するものである。

説明

ブロックチェーンは記録した内容の改ざんが極めて難しく、またスマートコントラクトと呼ばれる機能を使うことで売買取引などを自動執行できる。またブロックチェーンを使った取引システムは従来型のシステムと比較して、より安い取引コストで、かつより高いセキュリティを実現できる可能性がある。
これをFIT買取期間の終了した一般家庭のPVからの逆潮流の売買に応用することで、従来は安い価格で企業等に買い取ってもらうなど取引当事者の選択肢は限られたものであったのが、自分の希望する価格で直接売買できるようになる。また、FIT買取期間の終了した一般家庭のPVが発電することで発生する環境価値もブロックチェーンを使った取引システムを使うことで売買が可能になる。特に今までは売買されずに完全に埋没していた一般家庭の自家消費分の環境価値についてもブロックチェーンを使うことで売買できるようになり、余剰電力のみならず環境価値取引の活性化にも寄与できる。