Well to Wheelゼロエミッションモビリティの実現に向けたLS-EVの開発とプラットフォームを活用した社会サービス(QOL)向上への挑戦
帝人株式会社
概要
燃料から走行までトータルでの温室効果ガス排出量をゼロにする「Well to Wheel ゼロエミッションモビリティ」の実現に向けて帝人では豪州AEV Robotics社(以下AEV社)と低速EV(Low Speed EV:以下LS-EV)の開発に取り組んでいる。
また、この低速EV領域に特化することで充電ステーションを必要としないチャージフリーな特徴を活かし移動弱者に対するモビリティサービスや非常時バックアップ電源として活用する等の社会サービスに展開する可能性を探索している。
説明
「Well to Wheel ゼロエミッションモビリティ」の実現に向けて帝人では豪州EVベンチャー企業であるAEV Robotics社と共同してLS-EVの開発に取り組んでいる。
本開発において克服すべき開発課題は、高効率EVプラットフォーム、軽量化ソリューション、ソーラー発電ルーフ、自動運転であり、帝人ではコンポジットを核とするマルチマテリアル技術や樹脂グレージング(樹脂窓)を活用した軽量化ソリューション、工学院大学のソーラーカープロジェクトへの参画を通して得られた知見やノウハウを活用した軽量ソーラー発電樹脂ルーフパネルの開発等に取り組んでいる。一方、AEV社では電子制御やシステム技術を活かした高効率EVプラットフォーム、自動運転技術の開発を中心に取り組んでいる。
帝人で実施している技術開発は、炭素繊維やガラス繊維を活用したコンポジット、耐衝撃性や透明性に優れたポリカーボネート樹脂を使った樹脂窓、熱マネージメント可能な高機能軽量素材などを適材適所に用いて部品全体の設計、最適化を行う軽量化ソリューション、マルチマテリアル・マルチファンクショナル技術の開発である。
また将来ゼロエミッションモビリティが実現した世界を見据え、本LS-EVが充電ステーションを必要としないチャージフリーである特徴を活かし、人々のQOL(Quality Of Life)向上に役立てようとしている。候補としては鉄道やバス路線が廃止になった地域や充電ステーションの設置が困難な地域社会への展開により、高齢者などの移動弱者を対象とした移動サービス、災害等の非常時には搭載したソーラー発電樹脂ルーフによってバックアップ電源等に活用を図る等の社会サービスの可能性を探索している。
連携先
帝人株式会社 モビリティ部門
AEV Robotics社(豪州)
補足情報
詳細は以下を参照ください。
・ 超高齢化社会に向けたモビリティソリューションを追求
「豪州・AEV社と共同開発を推進」(プレスリリース)
https://www.teijin.co.jp/news/2019/20190716_5946.html
・ AEV Robotics社
https://aevrobotics.com/