欧州からグローバルに展開する洋上風力発電事業
住友商事株式会社
概要
当社は、ベルギー、英国、フランスで計8件の洋上風力発電事業に参画してまいりました。欧州の洋上風力発電市場は年々拡大しており、当社としても市場成長を取り込み、事業拡大を目指しています。当社は欧州に洋上風力発電の専門家集団を自社で有しており、現地パートナー企業と協力して洋上風力特有の技術・事業リスクなどをマネージし、より安価でクリーンな電気を、安定的かつ継続的に供給していくことを目指しています。また、欧州で得たノウハウ、知見を活用して日本などでも事業展開していきたいと考えています。
説明
欧州における住友商事の洋上風力発電事業の拠点は、ドイツのデュッセルドルフを中心とし、ベルギーのルーベン、英国のロンドンにあります。当社は、発電事業者として現地にしっかり根を下ろしながら、総合商社ならではのネットワークを駆使して情報を集め、常に新規事業の可能性を探ってきました。2014年にベルギー案件「ベルウィンド」「ノースウィンド」「ノーベルウィンド」に参画し大きく貢献したことが評価され、その後2016年、17年と英国での洋上風力発電プロジェクト「レースバンク」「ギャロッパー」にも参画することができました。ベルギーのプロジェクトを上回る大規模な英国の2つの風力発電案件は、「レースバンク」が18年3月、「ギャロッパー」が9月に完工。これら2件の発電所は、現在は当社、三井住友銀行、日本政策投資銀行で協力して19年に組成した、本邦初の欧州洋上風力発電事業を投資対象とするインフラファンドに移管し、運営を続けています。
2018年にはベルギーにおける4件目の事業となる「ノースウェスター2」、さらにフランスでも洋上風力発電プロジェクト「ル・トレポール」「ノワールムーティエ」に事業参画しました。「ル・トレポール」は英仏海峡洋上沖合約15キロメートル、「ノワールムーティエ」はフランス・ビスケー湾沖合約12キロメートルの海域において開発予定で、現在ファイナンスクローズ達成を目指しています。この両プロジェクトの総発電容量は合計992メガワットで、約164万人分に相当する電気を供給します。
欧州以外の地域で、洋上風力発電の好適地として世界から注目されているのがアジアです。なかでも、周囲を海に囲まれているという地形上の利点や、政府が再生可能エネルギーを重視する姿勢を鮮明に打ち出している台湾やベトナムは注目を集めています。さらに、同じく国土が海に囲まれている日本も、有力な洋上風力発電のマーケットです。北海のように遠浅の地形ではないこと、台風が多いことなど課題はあるものの、欧州での洋上風力発電事業の経験が日本を含むアジア地域で生かされる機会が近い将来にやってくると考えています。
【欧州以外の地域への展開にあたっての課題】
1. 当該国制度の整備
2. 当該国政府の支援
【具体的なアクション】
日本国内並びにアジア諸国において随時様々な分野の専門家やパートナーと連携しつつ、案件成就を目指し尽力中
連携先
パークウィンド(ベルギー)