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CO₂を有効利用した高効率合成ガス製造技術開発

千代田化工建設株式会社

概要

炭素循環社会構築には、利用されないガス田中のCO2やプロセスから排出されるCO2の有効利用技術が期待されています。その中で、CO2をスチーム/CO2リフォーミングプロセスにて合成ガスに変換することで様々な燃料や化学品に有効利用することは極めて現実的で有効な方法です。しかし、従来技術では、リフォーマー内の触媒上でのカーボン析出を抑えるため、スチームを過剰に必要とし、エネルギー消費量が多くなって、CO2の資源化が限定的となっているのが現状です。

千代田化工の開発したCT-CO2AR®(シーティーコア)技術は、二酸化炭素/メタン/スチームを原料とし、幅広いH2/CO比の合成ガスを高効率に製造する革新的技術です。

説明

CT-CO2AR®技術は、独自開発による耐コーキング性に優れた触媒を用いることで、従来の触媒では不可能であったエネルギー効率の高い条件下において、炭素析出を回避しつつ長期間に渡る安定した合成ガス製造を可能としました。既存天然ガス改質技術と比較して、原料および燃料として投入する天然ガス量ならびにリサイクルCO2量を大幅に削減することができます。その結果、排出炭酸ガスを大きく削減することが可能となり、地球に優しい環境調和型の技術と言えます。製造される合成ガスは多岐にわたる化学品(オキソ化学品、MMA、酢酸等)の原料ガスとして利用されます。

例えば、 CT-CO2AR®技術では既存技術に比べ、オキソ合成等に適したH2/CO比が1.0の合成ガスを一定量製造するための原料供給量を、およそ60%削減することができます。このエネルギー効率改善に伴い、設備費、運転費及びCO2排出量が大幅に削減されます。また、設備費は既存技術と比較すると、H2/CO比が1.0の合成ガス製造の場合は20%以上、H2/CO比が0.5の合成ガス製造の場合には40%以上も削減することができ、経済的にも非常に優位性の高いプロセスです。

天然ガスをCO2及びH2Oでリフォーミングする際に、原料との比率を変えることで、幅広いH2/CO比の合成ガスをエネルギー効率よく直接製造することが可能です。オキソ合成向けのH2/CO比が1.0の合成ガス、或いは酢酸製造用のCO製造など多岐に渡る下流のプロセスへの適応が可能です。

本プロセスは、2011年に新潟で行われたJapan GTLプロジェクトの合成ガス製造ユニットとして建設・運転され所定の性能が実証されました。また、商業装置としては2014年に国内化学メーカーに納入され、現在も安定に稼働中です。今後、国内外のリフォーマーへの触媒交換や、本触媒を用いた新設リフォーマー建設により、本技術を幅広く活用してCO2有効利用やCO2排出量削減に貢献していきます。

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