セラミックス焼成排熱利用によるZEB(ゼロエネルギービル)
日本ガイシ株式会社
概要
日本ガイシの企業行動指針の中の「地球環境の保全」と「快適な職場環境の確保」への取組みとして瑞穂新E1棟(名古屋事業所の瑞穂地区の事務・厚生棟)が建設されました。瑞穂新E1棟は、隣接工場の焼成炉からの排出排熱のうち、これまで未利用だった250℃以下の低温排熱を放射冷暖房空調や給湯に有効利用するほか、ガラスの吹き抜け空間(エコボイド)による自然換気・自然採光や、地中熱による導入外気定温化(クール・ヒートトレンチ)などにより、省エネ法の基準CO₂排出量に対し54%削減を目指した「ZEB(ゼロエネルギービル)-Ready」として設計したビルです。また、省エネ性評価シミュレーター(BEST)を搭載したビルエネルギー管理システム(BEMS)やWEBアンケートによる快適な職場環境を実現する仕組みも導入し、省CO₂対策と従業員の健康増進の両立を図っています。
当社は、このZEB-Ready設計ビルの運用/評価を通じて、ZEBを推進して行きます。
説明
瑞穂新E1棟は、日本ガイシ本社工場全体の再配置のシンボルとして研究・開発、設計、国内外の各拠点への司令塔機能をもったオフィスで、日本ガイシの企業行動指針の中の地球環境の保全」と「快適な職場環境の確保」への取組みとして2つの柱を備えています。
- 「地球環境の保全」:捨てられていた工場内低温排熱の有効利用による省CO₂
- 「快適な職場環境の確保」:快適・健康・生産性向上によるイノベーション促進
これにより、576 ton-CO₂/年のCO₂削減を図り、一次エネルギー消費量814 MJ/m2(省エネ法基準比54%削減)とCASBEE(名古屋)評価_Sランク(予定)に繋げます。
瑞穂新E1棟の主なコンセプト
<EXHAUST HEAT USE>:工場内の低温排熱と工業用水熱のカスケード利用が、新E1棟の省エネのポイントです。製品を焼成する窯から排出される燃焼排ガスは高温排熱:600℃~1000℃超、中温排熱:250℃~600℃、低温排熱:250℃以下に分けられ、高温排熱はバーナ燃焼空気加熱に利用し、中温排熱は蒸気利用に活用してきましたが、低温排熱の利用が出来ていませんでした。それを空調や給湯に利用することで大幅な省エネを実現して行きます。
<BREEZE>:クール・ヒートトレンチを用いた給気システムで、より自然な雰囲気を感じられるオフィス空間を実現して行きます。
<THERMAL COMFORT>:天井放射空調と床吹出空調で、快適な冷温熱環境を確保して行きます。
<NATURAL LIGHTING>:エコボイド利用の自然採光、リフレッシュコーナーのサーカディアン照明などで、快適な照明環境を確保して行きます。
<VISUALIZATION>:エントランスに設けた「見える化ディスプレイ」で省エネ状況をリアルタイム紹介するなど、外部からの見学者の受け入れ態勢を整え、取組の普及・波及にも積極的に取り組んで行きます。
<瑞穂新E1棟の概要>
階数 : 地上6階
建物高さ : 31メートル
建物面積 : 2,568.97平方メートル
延床面積 : 12,180.04平方メートル
用途 : 事務所、食堂、診療所ほか
補足情報
日本ガイシ株式会社の環境の取組み
https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment/index.html
2018年02月21日リリース:名古屋事業所の「瑞穂新E1棟」が 「サステナブル建築物等先導事業(省CO₂先導型)」に採択
https://www.ngk.co.jp/news/20180221_8990.html