グリーンボンドを含むSDGs債の推進
株式会社大和証券グループ本社
概要
大和証券グループの主要事業である証券ビジネスは、企業や政府などの資金調達ニーズと、さまざまな投資家の資金運用ニーズを結びつけるという社会的役割を担っています。
また、社会課題を解決するためにより直接的で即効性のある投資を行なう「インパクト・インベストメント」と呼ばれるコンセプトの金融商品の推進に注力しています。経済的な利益追求と同時に社会課題解決を図るこれら商品の組成・販売により、金融機関の立場から社会への貢献を図っています。
具体的には、2008年に本邦初となったワクチン債を販売して以来、日本におけるインパクト・インベスト債券のパイオニアとして、公的機関や金融機関が社会課題の解決を目的に発行する債券、いわゆるSDGs債(※)を日本の投資家の皆さまに販売しています。
昨今ではSDGsに資する新たなビジネスや取組みが活発化してきましたが、SDGsを達成するために必要な資金は不足していると言われています。当社グループはSDGs債の推進を通じて、課題解決に効果的なプロジェクトが確実に遂行されるよう、持続可能な資金循環を生む仕組み作りを進めてまいります。
(※)資金調達がSDGsに貢献する事業に充当される債券。
従来のインパクト・インベストメント債券も含むと解します。
説明
国連の持続可能な開発目標(SDGs)やESGが世界的に浸透したことで、関連する債券市場の拡大とともに、投資家の皆さまの関心も高まっている現在、グリーンボンドを含むSDGs債へ投資する機会を積極的に提供しています。
2018年9月には、国内事業会社が発行するグリーンボンドとしては初となる「商船三井ブルーオーシャン債」を販売しました。その前年度に東京都が発行した「東京グリーンボンド(外貨)」に続く、国内発行のグリーンボンドを引受・販売することを通して、個人投資家の貴重な資金が環境対策へ活用される潮流を拡大させる一助となりました。
また、2018年11月には大和証券グループ本社として初となるグリーンボンドを発行するなど、市場の活性化に向けた取組みを拡大しています。
SDGs債引受に際しては、デット・キャピタルマーケット部内に専門チームを設置。大和証券SDGs推進室や大和総研SDGsコンサルティング室、大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド本店(ロンドン)と協働し、国内外の質の高い情報を基にした引受業務を行っております。ICMAグリーンボンド原則、ソーシャルボンド原則のワーキンググループに継続的に参加している他、環境省のグリーンボンドガイドライン策定に際しては、日系証券唯一のメンバーとして参画しています。
今後も大和証券グループは、グリーンボンドをはじめとするSDGs債の引受・販売などの事業活動を通じて、社会課題の解決に向けて貢献していきます。
なお、大和証券グループが引受業務を行った主なSDGs債の事例は、以下の通りです。
・「住友林業グリーンCB」(2018年9月発行)
世界初のグリーンCB(転換社債)。調達資金は、ニュージーランド山林資産の取得により減少した手元資金のリファイナンスに充当
・「東京建物グリーンボンド」(2019年3月発行)
ハイブリット債として、国内初のグリーンボンド。調達資金は環境に配慮した建築である「(仮称)豊島プロジェクト」「中野セントラルパークサウス」に充当
・「日本学生支援機構ソーシャルボンド」(2019年6月発行)
日本学生支援機構ソーシャルボンドで調達された資金は、貸与奨学金の在学中資金に充当される。SDGsのうち目標3「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」の達成に貢献
・「商船三井グリーンボンド/サステナビリティボンド」(2018年8月 / 2019年7月発行)
2018年8月、リテール債として初のグリーンボンドの発行を引受。2019年7月にもリテール向けの初のサステナビリティボンドを引受
・「学研ソーシャルボンド」(2020年3月発行)
認知症患者、介護を必要とする高齢者、認知症患者・介護を必要とする高齢者等の介護者である家族を対象とし、ソーシャルボンドを発行。高齢化社会の課題解決へ貢献する介護事業を資金使途とするソーシャルボンドの発行は、国内事業会社で同社が初の事例
・「IFC(国際金融公社)ソーシャルボンド」(2020年4月発行)
2020年3月3日、IFCは新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴う発展途上国の民間企業への緊急支援を発表。それ以降、単独の機関投資家向けに発行された本邦初のソーシャルボンド
・「IDB(米州開発銀行)サステナブル・ディベロップメント・ボンド」(2020年6月発行)
IDBは新型コロナウイルス感染症に対する援助を必要とする国に対し、最大120億米ドルの融資を行うことを発表。当債券はこの発表に続くものであり、SDGsのうち目標3「すべての人に健康と福祉を」にフォーカスしている
連携先
住友林業株式会社、東京建物株式会社、独立行政法人日本学生支援機構、株式会社商船三井、学研ホールディングス、国際金融公社、米州開発銀行
補足情報
・大和証券 投資を通じた社会貢献 インパクト・インベストメント
https://www.daiwa-grp.jp/sdgs/business/product_development.html
・「住友林業グリーンCB」(2018年9月発行)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/ir_material3/136912/00.pdf
・「東京建物グリーンボンド」(2019年3月発行)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/tdnet/1682785/00.pdf
・「日本学生支援機構ソーシャルボンド」(2019年6月発行)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/ir_material3/136889/00.pdf
・「商船三井グリーンボンド/サステナビリティボンド」(2018年8月 / 2019年7月発行)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/tdnet/1625798/00.pdf
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/ir_material3/136884/00.pdf
・「IFC(国際金融公社)ソーシャルボンド」(2020年4月発行)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/tdnet/1816759/00.pdf
・「IDB(米州開発銀行)サステナブル・ディベロップメント・ボンド」(2020年6月発行)