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電解工場におけるデジタル技術を活用したデマンドレスポンス

三井金属鉱業株式会社

概要

風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの導入が国内外で広く進められていますが、気候条件などによって出力が変動してしまうという問題があります。この変動を抑え、安定的な供給を目指すものとして再生可能エネルギーに関連する技術で、分散・デジタル制御を活用した火力発電の出力調整があります。
その中のひとつとして近年、電力のデマンドレスポンス(以下DR)システムがスタートしていますが、今後の容量市場対応として出力調整の即時応答といった課題が挙げられています。当社三井金属グループが保有している電解工場をその調整力(上げ・下げ)として活用したいという取組みです。

説明

当社グループが生産している非鉄金属の亜鉛と銅は主に電気分解により不純物を除去して精製しておりますが、電力需給契約や生産量に合わせて操業していますので常に最大出力ではありません。現在は、ピーク時間帯の出力を抑えて、夜間時間帯にフル操業していることが多いのですが、時間帯に係わらず、フラットな操業をすることで、大きな調整力(上げ・下げ)を提供できると考えております。また、過去の操業経験から、電力変動に対応できることが分かっているため、DRアグリゲータから直接制御可能なシステムを導入することで、高速な調整力としても有効と想定しています。
DRはNAS電池やLiイオン2次電池を導入することに比べ、既存の電力ネットワーク内でのシステムで調整するため低コストで実現できます。風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの出力変動を補うために、このDRシステムへの世の中の関心は高まっていますが、今後の容量市場の対応として電力ネットワーク全体として即時出力制御の応答が課題として挙がっています。これらの課題解決へとつなげるべく、当社グループが保有する電解工場を活用することを検討いたします。
ただし、当社グループが担えますのは、電解工場における出力調整の即時応答だけになりますので、電力ネットワークに関する技術・知見を有した企業や団体との協業が欠かせません。今回の「チャレンジ・ゼロ」の取組みに加えていただくことで、協業先の選択肢が拡がりますこと、設備実現の可能性が高められますことを期待いたしております。

連携先

DRアグリゲータ

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