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メタネーションを用いた都市ガス原料の低炭素化・脱炭素化の取組

一般社団法人日本ガス協会

概要

都市ガス業界は、短中期的には天然ガスシフトや天然ガスの高度利用等の需要側の低炭素化の取組みを進めることにより、日本の温暖化対策や長期エネルギー需給見通しにおける2030年の目標達成等に貢献していく。また中長期的には、メタネーション技術等のイノベーションによる更なる低炭素化・脱炭素化にチャレンジしていく。

メタネーション技術は二酸化炭素等を元にして都市ガスの主原料であるメタンを生成するカーボンリサイクル技術であり、都市ガス自体の脱炭素化に加えて、既存の都市ガスインフラや需要家側設備を活用し、社会コストを抑制しながら脱炭素化する技術として期待されている。

日本ガス協会では特に「共電解技術を活用したメタネーション」と「サバティエ反応によるメタネーション」に取り組んでいる。前者は実用化に向けて課題が多くあるが高効率なメタネーション技術として期待されており、積極的に基礎研究に取り組んでいる。また後者については基本的な技術は確立されており、実証実験等を進めている事業者も参画しているCCR研究会での取組等を通じて、その進展に貢献している。

説明

メタネーション関連技術は「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」にも記載されている。メタネーション技術により生成されたメタンは都市ガスの主原料であるので、既存のLNG・都市ガスのインフラや需要家側設備を活用し、社会コストを抑制しながら脱炭素化することに繋がるなど、温室効果ガスの削減に向けて期待されている技術である。その中で日本ガス協会では「共電解技術を活用したメタネーション」と「サバティエ反応によるメタネーション」に取り組んでいる。

① 「共電解技術を活用したメタネーション」

・ 共電解技術によるメタネーション技術とはCO2とH2Oの両方を同時に電気分解(共電解)してCH4を生成する技術である。つまりCO2の電気分解でCOを生成し、またH2Oの電気分解でH2を生成し、得られたCOとH2の混合ガスを合成することでCH4を生成(メタン合成)するものである。これらの反応式は以下の通りである。
CO2+3H2O →(共電解により)CO+3H2+2O2
→ CH4+H2O+2O2

・ この共電解技術を活用したメタネーションは電解に必要な電気エネルギーが小さく、また発生する熱を電気分解に有効利用することが可能なので、エネルギー変換効率が高いという特徴がある。さらに水素の貯蔵・輸送が不要なので、水素の流通を前提としない等の特徴がある。

・ このように「共電解技術を活用したメタネーション」は理論上、非常に高効率であり、また多くの利点があるが、解決すべき技術課題が多く、まだ基礎研究段階であると言える。

・ そこで日本ガス協会は大学と連携して基礎研究に取り組み始めている。具体的には「共電解技術を活用したメタネーション」と「サバティエ反応によるメタネーション」について、効率やコスト、技術課題等について整理した。

・ 今後は、システムの実現に必要な要素技術の条件(水準値)を明確化すると共に、その要素技術の条件達成の可能性について検討を進めていく。またラボレベルで明確化した条件の実現性を確認していくことも視野に入れている。

・ 将来的には2040年代に、「共電解技術を活用したメタネーション」の商用化を目指し、必要な基盤技術開発や実証試験の実現に向けた基礎調査・研究に取り組んでいる。

② 「サバティエ反応によるメタネーション」

・ サバティエ反応とは触媒を介してH2とCO2を反応させてCH4を生成するものであり、反応式は以下の様に表される。
CO2+4H2 → CH4+2H2O

・ 「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」にも記載されたように、再生可能エネルギー大量導入時に発生する余剰電力などを活用したCO2フリー水素と、回収したCO2を使いメタンを合成することで、都市ガス自体の脱炭素化が進むと期待されている。

・ この「サバティエ反応によるメタネーション」については基本的な技術は確立されているが、技術的には反応時に発生する熱の利用、化学反応の制御と耐久性の高い触媒開発、反応器設計(最適形状)、装置のコンパクト化などの課題がある。

・ 日本ガス協会は、この「サバティエ反応によるメタネーション」に関して、実証試験を進めている事業者も参画しているCCR研究会(Carbon Capture& Reuse)において主導的な役割を果たしており、分科会を設置し、技術開発ロードマップ作成や将来的な大容量(1,000 Nm3/h超)の商用化/建設検討等、将来の社会実装等に向けて貢献している。

連携先

横浜国立大学 荒木研究室
http://arakilab.ynu.ac.jp/

CCR研究会
https://ccr-tech.org/

補足情報

日本ガス協会 温暖化対策の長期ビジョン(都市ガス・天然ガスを活用した長期地球温暖化対策への貢献の絵姿)
https://www.gas.or.jp/kouken/

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