熱エネルギーの有効活用に資する高密度蓄熱技術の開発
東邦ガス株式会社
概要
幅広い用途において未利用熱の有効活用を図ることを目的に、高密度蓄熱材の性能向上開発、並びに蓄熱材の適用温度帯の拡大・用途開拓に取り組む。これにより、幅広い分野において、未利用熱の活用を促進し、更なる省エネルギー化に貢献していく。
説明
ガスコージェネレーション排熱等の熱エネルギーの有効利用を図ることを目的に、高密度蓄熱材の開発、並びにこれを活用した高密度蓄熱技術の開発に取り組んでいる。特に、100℃未満の低温排熱は有効利用が難しく、温度帯によっては蓄熱材が開発されていない。これらのことから、低温排熱に適用可能な蓄熱材の開発に着手した。
これまでに、ガスエンジンの排熱温度帯(80~90℃)の条件において、既存の蓄熱材(パラフィン)の約2倍、温水の約10倍の蓄熱密度を有する蓄熱材料を見出した。また、高い蓄熱密度を維持しつつ、蓄熱・放熱の温度帯を約40~90℃に調整する基礎的な技術を確立した。
現在は、蓄熱材を容器へ封入し、これらを充填した蓄熱槽を試作し、ガスエンジンコージェネレーションと接続した、実稼働条件下での実証試験に取り組んでいる。当該実証試験を通じて、蓄熱材と温水が効率良く熱交換され、より短時間での排熱回収や蓄えた熱の取り出しが可能となる最適配置や、繰り返し利用に対する耐久性と伝熱性能を両立した蓄熱材封入技術の確立を目指し、実用化へと進めていく。また、蓄熱材の適用温度帯の拡大に向けた技術開発や用途開拓に取り組み、更なる省エネルギー化に貢献していく。
補足情報
○東邦ガスホームページ「技術開発への取組み 高密度蓄熱技術」
https://www.tohogas.co.jp/approach/technologies/technologies-development/heat/heat-01/
○東邦ガスグループ「統合レポート2019」
https://www.tohogas.co.jp/corporate/ir/document/integrated/pdf/2019toho_tougou.pdf