再エネ、分散型電源の普及に向けたエネルギーマネジメントの高度化とレジリエンス強化の両立
東邦ガス株式会社
概要
バーチャルパワープラント(VPP)実証試験を通じて、電力需給調整に関する技術開発に取り組み、実用化へと進めていくことで、再エネの導入量拡大に貢献していく。また、分散型電源と熱源設備から成るスマートエネルギーシステムの実運用を通じて、CO2排出量の極小化並びにレジリエンスの強化に資するエネルギーマネジメント(エネマネ)のノウハウを蓄積する。さらに、CO2分離回収・有効利用(CCU)技術に係る調査や研究に取り組み、スマートエネルギーシステムとの組合せにより、ネット・ゼロカーボンの実現に貢献していく。
説明
【VPP実証試験】
出力が変動しやすい再エネ電源を最大限に導入し、安定的かつ有効に活用することを目指して、需要家側の複数の電力リソースをあたかも一つの発電所のように制御するVPPを構築し、電力需給調整に活用する実証試験に取り組んでいく。電気は、周波数を一定に保つために需給バランスを取る必要があることから、自家発電機や蓄電システム等を活用し、再エネ出力や電力負荷の変動に起因する周波数変動を検出して自動的に出力調整を行う制御技術の確立に向けた技術開発に取り組み、実用化へと進めていくことで、再エネの導入量拡大に貢献していく。
【スマートエネルギーシステムの実運用】
「みなとアクルス」は先進のエネルギーシステムでまち全体のエネルギーを一括管理し、省エネ・省CO2に取り組む環境に配慮したまち「スマートタウン」として、名古屋市港区で開発を進めている。当該システムは、再エネ電源、大型蓄電池、ガスコージェネレーションシステム、SOFC等の分散型電源と、排熱や未利用エネルギーを活用した複数の熱源設備に、コミュニティ・エネルギー・マネジメント・システム(CEMS)を組み合わせ、エリア全体のエネルギー需給の最適化を図っている。当該エネルギーシステムの実運用を通じて、CO2排出量の極小化並びにレジリエンスの強化に資するエネマネのノウハウを蓄積する。
【CCU技術に係る調査研究】
都市ガス利用機器の排ガス中などのCO2を対象に、CCU技術に係る調査や研究に取り組み、スマートエネルギーシステムとの併用を見据えた実用可能性の検討を進めていくことで、ネット・ゼロカーボンの実現に貢献していく。
補足情報
東邦ガスグループ「統合レポート2019」
https://www.tohogas.co.jp/corporate/ir/document/integrated/pdf/2019toho_tougou.pdf