水素サプライチェーン構築に向けた、水素ステーション整備・運用および水素利用技術の開発
東邦ガス株式会社
概要
モビリティ分野における低炭素化に向け、水素ステーションの整備・運用を進めると共に、水素サプライチェーン構築を見据え、産業分野における水素燃焼技術の開発に取り組み、水素利用を通じて、複数部門におけるネット・ゼロカーボンの実現に貢献していく。
説明
【水素ステーションの整備・運用】
これまでに4か所の水素ステーションの整備・運用に取り組んできており、現在は、2020年中の運用開始を目指して5か所目の整備を進めている。他方で、国や自治体、ステーション運営・整備事業者、自動車メーカー等のさまざまな関係者と連携し、ステーション機器・システムの標準化や規制見直し等の検討を通じて、ステーションの建設費・運営費の低減に取り組んでいる。今後も引き続きこれらの活動に取り組み、燃料電池自動車の普及、延いてはネット・ゼロカーボンの実現に貢献していく。
【水素利用技術の開発】
産業分野における水素利用技術の開発に取り組んでいる。具体的には、工業炉において、バーナから配管系まで工業炉全体での水素利用時を想定し、技術課題を抽出し、取り組みに着手。例えば、水素はメタンを主成分とする都市ガスと比較して、燃焼速度が速く、火炎温度も高いことから、逆火等の不安定燃焼、NOx排出量増加、及びバーナノズルの温度上昇等への対策が必要となる。また、水素の火炎は肉眼での確認が困難であるため、火炎検知を確実に行うための工夫が必要となる。加えて、バーナまでの配管系における漏洩対策も必要となる。こうした技術課題の解決に向けて、バーナノズル構造や燃焼制御の最適化に向けた技術開発や、電磁弁等の配管補器類の水素配管への適用検討並びに新規開発等に取り組み、幅広い加熱工程において実用化へと進めていくことで、ネット・ゼロカーボンの実現に貢献していく。
補足情報
東邦ガスグループ「統合レポート2019」
https://www.tohogas.co.jp/corporate/ir/document/integrated/pdf/2019toho_tougou.pdf