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ブルーカーボン促進効果を有する石炭灰重量ブロック材料の開発

電源開発株式会社

概要

海洋及び港湾構造物の構築には主にコンクリートが使用されるが、その材料としては天然資源である砂利、砂のほか、硬化材としてその製造に多量のCO2を排出するセメントが使用される。
本技術開発は、石炭灰と銅スラグ(いずれも産業副産物)を主原料とし、これに水とセメントを加えて製造したモルタル(石炭灰重量モルタル)を、コンクリートの代替品として使用できるか検討・評価し、原材料に起因するCO2削減を図る。さらに、「石炭灰重量モルタル」で製造したブロック等への海藻類の付着・促進効果を確認・評価し、藻場造成によるCO2吸収を図る(ブルーカーボン)ことを目的とする。
なお、天然骨材の代替として高比重の銅スラグを用いることで、海洋及び港湾構造物で問題となる波浪安定性にも効果があるというメリットも有する(一般的なコンクリートと比べて2割程度重い)。

説明

海洋及び海岸構造物の構築には主にコンクリートが使用されるが、その材料としては天然資源である砂利、砂のほか、硬化材としてその製造に多量のCO2を排出するセメントが使用される。
本技術開発は、石炭灰と銅スラグ(いずれも産業副産物)を主原料とし、これに水とセメントを加えて製造したモルタル(石炭灰重量モルタル)を、コンクリートの代替品として使用できるか検討・評価し、原材料に起因するCO2削減を図る。
また、「石炭灰重量モルタル」で製作した消波ブロックを海域へ設置したところ、設置後1年程度で既設のコンクリート製消波ブロック(設置後20年以上経過)と遜色ない海藻類の付着・生育が確認されており、早期に海藻が付着・生育して海洋環境に優しい材料ではないかと期待されている。これら海藻類付着・生育効果を検証するため、実海域を利用した実証試験を開始しており、現在までの経過観察の結果から「石炭灰重量モルタル」で製作した消波ブロックは、コンクリート製消波ブロックと比べて海藻の付着が多いことを確認している。今後も経過観察を続けて「石炭灰重量モルタル」の海藻類の付着・生育促進効果を検証し、藻場造成によるCO2吸収を図る(ブルーカーボン)ことを目的とする。期待されるCO2の吸収量としては、ブルーカーボン研究会では、海草藻場2.1万haおよび海藻藻場1.2万haを造成することで、約24万t/年(標準値)~224万t/年(最大値)のブルーカーボン生態系によるCO2吸収量の増加が期待できると試算している。当社もこの一翼を担い、石炭灰重量モルタルを活用した藻場造成による低炭素化を進めていく。
なお、天然骨材の代替として高比重の銅スラグを用いることで、海洋構造物で問題となる波浪安定性にも効果があるというメリットも有する(一般的なコンクリートと比べて2割程度重い)。

連携先

(国研)海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所と共同研究、(一財)漁港漁場漁村総合研究所と連携

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