バイオマス混合新燃料の開発
九州電力株式会社
概要
本プロジェクトは、環境負荷低減と経済性の両立を目指した、化石代替燃料開発への取組みである。経済性に優れるがCO₂排出量が比較的多い石炭火力発電について、埋蔵量が豊富な褐炭(石炭の中でも水分や不純物の多い低品質なもの)と未利用木質バイオマスを活用したバイオマス混合新燃料を開発し、CO₂排出削減と燃料資源の確保を目指すものである。
説明
日本では2030年における温室効果ガス26%減、2050年までに80%減という目標を掲げており、火力発電のCO₂排出低減は重要な課題である。
当社は、2018年10月から国の支援のもと※、日鉄エンジニアリング㈱と共同で褐炭と未利用木質バイオマスを活用したバイオマス混合新燃料の開発に取り組んでおり、2019年4月に豪州ビクトリア州と木質バイオマス資源を利用した技術開発及び利活用に関する覚書を締結している。
石炭は経済性に優れるがCO₂排出量が多いため、バイオマス利用の拡大は、石炭火力発電所のCO₂排出量を低減する重要な手法の一つである。石炭の中でも低品質な褐炭は埋蔵量が豊富で灰分や硫黄分が少ないメリットがある一方、自然発熱性が高く貯蔵や長距離輸送が困難なため現地での利用に留まっているが、この褐炭と未利用木質バイオマスを活用したバイオマス混合新燃料を現地で製造し、安全に日本に運び、発電用燃料として利用する技術の確立及び実用化を目指すものである。
既設石炭火力で使用している石炭と同様に運用できるバイオマス混合新燃料の製造技術を確立することで、CO₂排出量低減とエネルギーセキュリティの両立を目指している。
※ 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」委託事業
連携先
日鉄エンジニアリング株式会社