大型車向け大容量充放電器の開発
九州電力株式会社
概要
本プロジェクトは、運輸部門の電化を推進することにより、低炭素で持続可能な社会の実現に貢献する取組みである。
当社は、ESGの視点を重視し、環境にやさしく、利便性に優れた電気の良さや価値を、より多くのお客さまに感じていただくために、産業用、業務用など、あらゆる分野で電化を推進しているが、特に、大型車(路線バスやトラックなど)の電化については、運用面や導入コストの課題があり、普及拡大が進んでいない。
そこで、大型車向けの大容量充放電器を開発し、事業者の電気自動車(電気バスや電気トラックなど)導入を支援することで、運輸部門の電化推進に取組む。
説明
我が国におけるCO₂排出量に占める運輸部門の割合は約2割で、その約9割を「自動車交通」が占める。自動車からのCO₂排出量の削減を図るために電化推進は、社会的な課題であるが、大型車(路線バスやトラックなど)に関しては、運用面や車両並びに充電設備の導入コストの面などの課題があり、普及が進んでいない状況にある。運用面の課題としては、一回のフル充電での走行距離が短いことや充電時間が長いこと、運行途中に充電が必要となるケースが挙げられる。
そこで、低コストで多機能な大型車向けの大容量充放電器を九電グループで開発し、実フィールド試験を通じた機能検証を行う。
具体的には、急速大容量充電による充電時間の短縮化に加え、大型電気自動車に蓄えられた電力を放電することで、事業所の電力ピークカットや深夜電力活用などのエネルギーマネジメントへの適用可能性を検証する。
また、当社は、2018年度より電気自動車をエネルギーリソースとしたV2G(Vehicle to Grid)実証を開始し、今後は電気自動車に加え、定置用蓄電池や大型電気自動車、エコキュートなどの多様なエネルギーリソースを電力の需給バランスに活用するVPP(Virtual Power Plant)実証にも取組むこととしており、これらの知見も活用しながら、大型電気自動車の付加価値を向上させる各種サービス(EMS、VPP、BCP)の提供に繋げ、事業者の大型電気自動車導入に向けた支援を行い、運輸部門の電化推進に取組む。
連携先
九電テクノシステムズ株式会社
株式会社キューヘン
ニシム電子工業株式会社