ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスで2050年脱炭素を目指す！

積水ハウス株式会社

様々な屋根形状に美しく設置できる瓦型太陽光発電システム

庭を楽しめる大型断熱サッシ

積水ハウスのバリューチェーンのCO2排出削減計画

概要

　積水ハウスは2008年に、2050年までに全ての住宅において、建設から廃棄までのライフサイクルでCO2排出をプラスマイナスゼロにする「2050年ビジョン（＝脱炭素宣言）」を策定しました。同年に開催された洞爺湖サミットにおいて、ライフサイクルでCO2排出をマイナスとする（建設から廃棄までのCO2排出を創エネによるCO2削減が上回る）ゼロエミッションハウスを建設（NEDOに協力）し、実現可能であることを示しました(1)。

　2050年脱炭素達成に向け、2009年に1990年比で生活時のCO2排出を50％以上削減可能な「グリーンファースト」の供給を開始し(2)、さらに2013年には政府の「2020年までに標準的な新築住宅でゼロエネルギー住宅（ZEH）を標準にする」目標を受けて「グリーンファーストゼロ」を販売(3)、2019年度に供給した新築戸建住宅の87％をZEHが占めています(4)。今後、さらにZEHの性能を高めるとともに、対象とする建物の種類を拡大し2050年脱炭素を目指します。

説明

【チャレンジにおける到達目標】

　国連の1.5℃目標と同じく、2050年までの住宅のライフサイクル全体におけるCO2排出ゼロが目標です。住宅には、戸建住宅だけでなく賃貸住宅や分譲マンション等、様々な種類があり、さらに新築だけでなく既存住宅も存在します。積水ハウスの目指す2050年ビジョンでは、既存住宅も含めた全ての住宅を対象とした脱炭素を目指しています。

【チャレンジ実現に向けて克服すべき課題】

　住宅のライフサイクルにおけるCO2排出割合は、居住時（スコープ３カテゴリ11）が最も大きく、現在ZEHの普及によりこの削減を推進中です。当社が供給する戸建住宅の87％がZEHであり、累積で51,793棟に達していますが、賃貸住宅のZEHは未だ約800戸と少ないため、これを増やす必要があります。

　次に大きな割合を占めるのが購入部材の製造等で排出されるCO2ですが、建築は使われる部材が建物ごとに異なり、サプライチェーンも複雑であること等から、この削減はサプライチェーン全体で協働して取り組むべき課題と考えています。これに関して、サプライヤー企業のCO2排出削減努力が、購入部材のCO2排出量計算に反映される仕組みについても検討中です。

【具体的なアクション】

・2009年から断熱性の向上と省エネ設備及び太陽光発電、燃料電池を組み合わせ、1990年比で50％以上CO2排出量を削減できる「グリーンファースト」モデルを開発し、販売を開始しました。

・2011年には、停電時にもほぼ普段と同じ生活を可能とする、レジリエンス性能を高めた世界初の太陽光発電、燃料電池、蓄電池の3電池連携「グリーンファーストハイブリッド」を開発し、販売を開始しました。

・2013年には、日本政府による「2020年までに標準的な新築住宅でZEHを標準にする」との方針をうけ、断熱性や省エネ性をさらに進化させZEHにした「グリーンファーストゼロ」を開発し、販売を開始しました。

・2017年には、全住戸『ZEH』である賃貸住宅を日本で初めて建設しました。

・2018年には、全住戸『ZEH』である分譲マンションを日本で初めて建設しました。

・2019年オーナー邸に設置した太陽光発電システムの卒FIT余剰電力を買取り、自社の電力消費に充当する「積水ハウスオーナーでんき」を開始。2030年までにはRE100達成の見込みです。

・2022年には、新築戸建住宅のZEH比率を90％、ZEH賃貸住宅を2,500戸/年、ZEH分譲マンションを540戸、既存戸建住宅の高断熱改修「いどころ暖熱」を1,250戸/年の達成が目標です。

・2030年までに、2013年度比で事業に伴うCO2排出（スコープ１，２）の50％、居住時のCO2排出（スコープ３カテゴリ11）の45％を削減することが目標です。（SBT目標）

・2050年 CO2排出ゼロ達成を目指します。

【温室効果ガス削減の効果】

・2013年度からのZEHの累計51,793棟によるCO2排出削減効果は、2019年度末時点で約71万t-CO2です。