モビリティ分野の低炭素化に貢献する水素ステーションの整備
ENEOSホールディングス株式会社
概要
ENEOSグループの中核事業会社・ENEOS株式会社は、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)などのモビリティ分野における低炭素化に貢献するため、水素 ステーション事業を推進しています。
世界初となる量産型FCVの国内販売開始に合わせて、2014年12月に当社として最初の水素ステーションを開業し、以降、着実に整備を進め、現在では四大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏、北部九州圏)を中心に、国内最多となる41カ所の水素ステーションを運営しています。国内の水素ステーション(113カ所)の約4割を占めるトップシェアとなっています(2020年1月末時点)。
政府が掲げた目標では、2030年にFCVが80万台、水素ステーションが900カ所相当となっています。当社は、FCVやFCバスなどの環境負荷の小さいモビリティの普及による社会の低炭素化に貢献するため、今後も水素ステーションを着実に整備してまいります。
説明
パリ協定の発効を契機に世界のエネルギー政策の潮流が「低炭素化」に大きく転換している今日、炭素分を含まず、利用時にCO2を一切排出しない「水素」への関心が各国で高まっています。
特に、世界に先駆けて2017年に「水素基本戦略」を策定した日本では、2018年に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」の中で、水素を再生可能エネルギーと並ぶ新たなエネルギーの選択肢に位置付けて、水素の供給コストを従来エネルギーと遜色のない水準まで低減させていくことなど、エネルギー政策における水素エネルギーの目指すべき方向性が盛り込まれました。
また、国際連携も盛んになってきており、2018年には、各国の経済・エネルギー閣僚を東京に招いて、世界初の「水素閣僚会議」が開催され、2019年には、軽井沢でG20エネルギー・環境大臣会合、そして再び東京で第2回「水素閣僚会議」が開催され、いずれの会合でも水素に関する技術協力や普及啓発活動などで国際連携を図っていくことが確認されました。
さらに、企業への投資判断に環境・社会・ガバナンスへの取組み姿勢への評価を組み込んだESG投資が拡大しており、企業活動において社会的責任を果たすことの重要性が増しています。
水素は、自然界には殆ど存在しないので人工的に作る必要がありますが、古くから製油所や製鉄所など産業分野を中心に幅広く使われてきました。
当社は、コアビジネスである石油事業において、石油製品の脱硫等の用途に水素を大量に製造・使用してきました。その製油所の操業を通じて得られた水素の製造に関する技術的なノウハウが水素エネルギーを取り扱う上での当社の強みとなっています。
当社が推進する水素ステーション事業は、世界初となる量産型FCVの国内販売開始に合わせて、2014年12月に最初の水素ステーションを開業して以降、着実に整備を進め、現在では四大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏、北部九州圏)を中心に、国内最多となる41カ所の水素ステーションを運営しています。国内の水素ステーション数(113カ所)の約4割を占めるトップシェアとなっています(2020年1月末時点)。
当社の水素ステーションは、立地や周辺需要に応じて「ガソリンスタンド併設型」「水素ステーション単独型」「移動式ステーション」の3つのタイプを展開しており、中でもガソリンスタンド併設型は、当社が展開する国内最大の約1万3,000カ所のガソリンスタンド・ネットワークが活用できるだけでなく、洗車やタイヤ交換、安全点検等、お客様のカーライフをトータルでサポートできることから、お客様にとって利便性が高く、当社にとって最も適したタイプと考えています。
政府が掲げた普及目標では、2030年にFCV80万台、水素ステーション900カ所相当となっており、2020年代後半までに水素ステーション事業の自立化を求めています。当社としても水素ステーションの建設費や運営費の削減に取り組み、事業の早期自立化を図るとともに、FCVやFCバスなどの環境負荷の小さいモビリティの普及による社会の低炭素化に貢献するため、今後も水素ステーションを着実に整備してまいります。