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オンサイト水素ステーション向けコンパクト水素製造装置の普及・実装

大阪ガス株式会社

概要

大阪ガスは、1960年代より触媒を用いた改質プロセスの開発に取り組んできた。その過程で培った大阪ガス独自の触媒技術、バーナ技術、ガス精製技術などを生かして、1980年代より都市ガスを原料とした水素製造装置を開発・商品化してきた。
2000年代初めにHYSERVEを開発し、その後スケールアップを行いながら、現在、水素製造能力別で4機種、HYSERVE-5、30、100、300を販売しており、2019年度末現在の販売実績は36台となっている。
中でも300m3N/hの水素製造能力を有するHYSERVE-300は、オンサイト水素ステーション向けに開発したものである。原料ガスとしては、都市ガス・LPGだけではなくバイオガスも使用可能であり、下水処理場から発生するバイオガスなどを用いた水素ステーションへの展開も目指している。今後、増加が期待される水素ステーションで採用されるよう、更なるコストダウン、省スペース化、高効率化を達成るために改良を行っている。

説明

コンパクト水素製造装置HYSERVEの特徴

① オンサイト水素製造
都市ガス原料の場合、パイプラインからの供給により、オンサイトで容易に高純度水素が製造できる。

② コンパクト
加圧型改質器を用いて、改質部をコンパクトに設計することで、世界最小クラスのユニットサイズを実現している。

③ 低コスト
機器仕様を標準化、一体パッケージ化すること等で製作コスト、現地工事コストを削減している。また、原料に中圧の都市ガス(>0.1MPaG)を利用できるため、圧縮動力を大幅に削減することが可能。

④ 高効率
水素精製工程で排出されるオフガスに可燃性のCH4、CO、水素を含むことから、これらを全量回収し、改質器のバーナ燃料に使用することで水素改質効率を向上。

⑤ 自動運転
HYSERVEは「ボタンを1つ押すだけで水素がつくれる」を開発コンセプトとしており、そのために開発した自動プログラムにより、タッチパネル操作で安全かつ容易に水素を供給開始、停止できる。また、水素の消費量に応じて水素製造負荷を自動調整する機能等を標準化することで、装置の運転に専門的な知識や技術が不要となっている。また、オプション機能として遠隔監視システムを追加装備することで、遠隔地でデータ収集、運転監視、異常時におけるE-Mailなどにより、無人運転を行うことも可能。

⑥ 水素循環による温間待機運転
通常の水素ステーションにおける水素製造は、夜間などに連続的に行うのではなく、昼間に間歇的に行うため、オンサイト水素製造装置は頻繁な起動・停止を行うことになる。しかし、冷間起動停止を行うと改質器反応管の熱膨張・収縮により触媒が粉化し、装置内で閉塞するトラブルが懸念されるため、高温部の温度を維持する温間待機運転が求められる。HYSERVEシリーズでは、改質系内に水素を循環して温間待機運転を行う機能を標準装備している。

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