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水素社会実現に向けた家庭用燃料電池エネファームの開発・販売

大阪ガス株式会社

概要

大阪ガスでは、低炭素社会の実現に向け、省エネルギー・CO2削減に貢献する家庭用コージェネレーションシステムとして、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素の化学反応で発電する燃料電池タイプの「エネファーム」(固体高分子形燃料電池(PEFC))、「エネファームtype S」(固体酸化物形燃料電池(SOFC))の販売・普及に努めています。これらは、発電と同時に発生する熱を給湯等に有効利用する高効率なエネルギーシステムです。
「エネファーム」「エネファームtype S」は、2020年4月に累計販売台数12万台を達成し、これは1年あたり約20万tのCO2排出削減に貢献します。
今後は販売ターゲット拡大を実現するために、モノジェネ化を視野入れながら、発電効率と小型化の向上に取り組みます。具体的には、シミュレーションによる燃料利用率向上、発電効率改善および小型化の可能性を見極めつつ、プロトン導電型SOFCの検討も並行して行っていきます。
また、IoTサービスなどの拡充に向けた開発を引き続き行い、2030年530万台という日本政府の目標達成へ貢献したいと考えています。

説明

当社はこれまで、燃料電池の高効率化を推進してきました。発電効率においては、「エネファームtype S」は55%と従来システムによる発電(約40%)よりも効率良く発電することができます。総合効率においては、「エネファーム」は97%と非常に高く、「エネファーム」で作ったお湯を床暖房にも利用できるようになり、よりエネルギーを無駄なく使用することができるようになりました。
これらの高効率化と併せて、以下のようなソフト面でのサービス開発も行ってきました。

① 停電時発電継続機能
東日本大震災による計画停電などにより、停電時の自立運転ニーズが高まったことから開発。停電時でも、生活に最低限必要な電力を供給できるだけではなく、給湯や入浴も行うことができる。

② 余剰電力買取サービス
エネファームで発電した低炭素な電気のうち、自家消費しても余ってしまう電力を大阪ガスが買い取り、更には大阪ガスの電力ビジネスに活用。

③ IoT化による利便性向上
エネファームと当社サーバーをWi-Fiで常時接続し、専用のスマホアプリを用いることで遠隔操作や省エネ成果の見える化などを行う。また、エネファームの稼働状況をモニターしてメンテナンス精度の向上にも役立てている。

また、2020年4月に「エネファームtype S」のモデルチェンジを行いました。主な特徴は以下の通りです。
(1) 発電効率の向上
新製品は、セルスタックの改良と発電ユニットの制御プログラムの改良により、世界最高(※1)の発電効率55%(※2)を実現しました。これは現行商品の世界最高発電効率53.5%(※3)を更新するもので、これにより、従来システムをご使用の場合と比べると、年間の光熱費を約12.1万円(※4)、CO2排出量を約2.3トン(※5)削減できます。

(2)設置性の向上
セルスタックの枚数削減およびパワーコンディショナーの小型化により、横幅を現行商品の780㎜から600㎜にスリム化。これにより、設置面積を約20%削減しました。

(3)お客さまの利便性向上
スマートフォンの専用アプリと連動し、リモコンのスイッチを押すとプッシュ通知がスマートフォンに届いたり、スマートフォンから送ったメッセージが自宅のリモコンに表示されるなど、家族間でのコミュニケーションができる便利機能も搭載しました。

(4)耐久性の向上
主要デバイスであるセルスタックの耐久性を見直すことで、発電ユニットの耐久年数を従来の10年から12年に延長し、より長く製品をお使いいただけるようになりました。

※1 定格出力1kW以下の家庭用燃料電池で世界最高の発電効率(2020年1月末時点の当社調べ)
※2~5 当社カタログ値より引用。

連携先

アイシン精機株式会社
京セラ株式会社
株式会社ノーリツ
パーパス株式会社
パナソニック株式会社
リンナイ株式会社

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