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NTTの考えるIOWN構想の実現により、世界的な省電力の実現に貢献

日本電信電話株式会社

概要

IoT、ビッグデータ、AIなどの活用が進み、大量のデータ処理に伴って、通信ネットワーク設備やデータセンターの消費電力がますます増大する傾向にあります。また、ムーアの法則の限界といわれる半導体進化の終焉も取りざたされています。NTTではこうした課題の解決に向けて、従来の電子技術による信号処理から、光技術をチップ内に導入する光電融合型の処理に関する研究に取り組んでおり、世界最小の消費エネルギーで動く光トランジスタを実現しました。
NTTでは、光電融合技術を活用した光半導体を構想の柱として、ネットワークから端末まですべてにフォトニクスの技術を導入した「オールフォトニクス・ネットワーク」を構成要素の一つとしたIOWN構想を提案しました。NTTの考えるIOWN構想の実現によるネットワーク設備や端末等の抜本的な消電力化により、世界的な省電力の実現に貢献していきます。

説明

■ IOWNがめざすもの
NTTの考えるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)がめざすのは、今まで以上に膨大な情報処理を支え、従来の電子技術の限界、主には消費電力の壁を超える変革をもたらす、革新的な情報処理基盤です。今のデジタルの世界では欠落してしまっているさまざまな価値観に応じた情報を余すことなく伝え、そして処理することで、人々に「ナチュラル」に価値を教授してもらうためのDital to Naturalの変革と、電子技術の制約の壁を超えるためのElectronics to Photonicsの変革を実現します。この2つの変革により、究極の安心・安全と信頼の提供、環境にやさしい持続的な成長、多様性に寛容な個と全体の最適化をめざします。

■ IOWNの構成要素
NTTの考えるIOWNは、ネットワークから端末まですべてにフォトニクスの技術を導入した「オールフォトニクス・ネットワーク」、実世界とデジタル世界の掛け合わせによる未来予測等を実現する「デジタルツインコンピューティング」、あらゆるものをつないで制御を実現する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つの要素で構成されます。

■ オールフォトニクス・ネットワーク
NTTの考えるIOWNでは、ネットワークだけでなく端末やサーバなど半導体の内部に至るまで、すべてに光の技術の導入拡大を図ります。その根本となるのが光と電気の処理を1つのチップ上で動作可能とする光電融合技術です。ネットワークのインターフェース部分では、すでにこの光電融合技術が使われ始めており、COSA(Coherent Optical Subassembly)技術と呼びます。この技術をさらに情報処理部分に適用します。はじめは、チップのすぐ近くまで光の機能を近づける、コパッケージ実装、そしてチップ間の通信も光化していきます。将来的には、CMOSのチップの上層に光の入出力機能を直接実装し、光の処理と電気の処理を融合した光電融合型プロセッサの実現により大幅な低消費電力化をめざします。NTTでは、超低消費電力で高速動作可能な光電融合型に光トランジスタを世界に先駆けて実現しました。2019年4月に「Nature Photonics」に論文が掲載された発明により、消費エネルギーは従来の光電融合技術と比べて約2桁削減されます。この世界最小エネルギーで動作する光トランジスタの発明がNTTの考えるIOWN構想の源です。
ネットワークから端末まで、できるだけ光のままで伝送する技術や、光電融合素子という新しいデバイスの導入により、フォトニクス技術適用部分の電力効率を100倍に高めることを目標としています。

■ IOWN Global Forum
IOWNの研究開発を世界中のパートナーと連携し推進するため、新たな業界フォーラムであるIOWN Global ForumをNTT、インテルコーポレーション、ソニー株式会社の3社を初期ボードメンバーとして設立しました。

連携先

IOWN Global Forum

補足情報

「NTT Technology Report for Smart World:What’s IOWN?」の発表について:
https://www.ntt.co.jp/news2019/1905/190509b.html

光変調器を超省エネ化し、高速高効率な光トランジスタを実現
https://www.ntt.co.jp/news2019/1904/190416a.html

IOWN Global Forum
https://iowngf.org/

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