再生エネルギーや直流給電技術等の活用により、分散グリッドを構築し、電力の地産地消・ゼロエミッションへの貢献と地域レジリエンス強化の実現
日本電信電話株式会社
概要
NTTが100年以上に渡り電気通信設備の電源として使用してきた直流給電技術とICT技術を活用し、太陽光発電設備、蓄電池、電気自動車や需要設備を直流にて連係し、より高信頼で電力変換ロスが少ない分散電源グリッドを構築します。
説明
現在、日本の電力系統は変圧が容易で長距離送電に適している交流を中心に構築されており、直流送電は周波数変換所や北本連系線などの一部に適用されています。
一方で、NTTが100年以上に渡り使用してきた電気通信設備は電力供給の信頼性と電力変換時の損失低減のため、直流にて動作する機器を採用しています。また、太陽光発電設備、燃料電池、蓄電池設備、および電気自動車やスマートフォンなど電池を搭載する設備など、直流設備が世の中には広く普及しつつあります。
直流給電のメリットは、間に電力変換装置を介在させることなく、蓄電池の電力を直接使用できることにあり、変換装置がないことにより故障率を低く抑えることができるため信頼性が高く、また変換ロスが少ないことから高効率が実現可能です。
また、交流では連係において電圧、位相、周波数の3要素をそろえることが求められますが、直流においては電圧のみを合わせることで連携ができることから、複数箇所での電力の相互融通を制御しやすい特性を持ちます。このメリット、特性を生かし、再生可能エネルギーを活用した分散電源グリッドを構築することで、ゼロエミッションに貢献するエネルギーの高度な利用を促進する社会基盤を提供するとともに、地域のレジリエンス強化を両立した社会の形成に貢献します。