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世界最高精度の3D地図によるレジリエンス強化

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

左上:通信インフラの整備、左下:防災、右上:高精細版地形データ(サンフランシスコ)、右下:日本全国高精細3D地図

高度な画像処理アルゴリズム×高速処理システム

概要

 AW3D®は、人工衛星で撮影された世界最高性能の 衛星画像データをもとに、NTTデータが一般財団法人リモート・センシング技術センターと協働して世界トップクラスの画像処理を施し、提供する「デジタル全世界3D地図」です。

 最高2,500分の1の精度の3D データで提供される画像情報、抽出情報は、そのスピードや情報の新しさ等から航空測量や現地調査の代替としても利用されています。AIを活用した画像解析により、建物等の地物情報抽出、経年変化の把握等も可能です。

 2014年の本サービスの提供開始以来、世界130カ国以上、2,000以上のプロジェクトで活用されており、その活用領域も、都市開発、農業、空港・港湾、電力、道路・鉄道、防災・災害対応、森林・緑地管理等、様々です。例えば、風力発電所の建設に向けて周辺地形からの風の流れ、豪雨の際に山から流れ出る雨水の量や土砂崩れのシミュレーションに役立っています。

 NTTデータは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、 JAXAが研究開発を進める新たな技術を活用して、3D 地図の高精度化に関する研究にチャレンジします。実現後に、研究成果を反映したさらなる高精度化したデータ解析技術の研究を進めるとともに、都市デジタルツインのスマートシティ分野や森林資源量把握の環境分野等への応用の研究を進める予定です。

  

説明

■チャレンジ内容

 3D地図の高精度化共同研究成果に基づく新サービス創出による気候変動レジリエンス強化

■背景と課題

 近年、世界各地で気候変動に起因するとされる異常気象によって、洪水や地すべりなどの自然災害が毎年のように起きています。災害被害の危険エリアの特定や把握をより正確に行うため、高精度な3D地図が必要とされています。また、都市や建設、交通等の産業においても、3D地図の利用が進み、さらなる業務効率化や付加価値向上のために、地図の高精度化が求められています。これまで、NTTデータは、JAXA等の衛星画像を利用した全世界デジタル3D地図サービス「AW3D」を展開してこれらの要求に対応してきましたが、通常の衛星画像では、樹木や植生に覆われた地面を直接観測できないため、森林域のハザードマップ等に必要な地盤面の観測に課題がありました。

 そうした課題に対し、NTTデータとJAXAは、JAXAが研究を進めている、地盤面や森林の高さ構造を高精度に測定可能な「宇宙機搭載レーザ高度計」に関する技術の活用が有効と考え、森林を含む世界中のエリアでハザードマップに適用可能で、さらに多様な分野での活用も可能となる3D地図の高精度化に関する技術の共同研究を行っています。本共同研究では、JAXAが、レーザ高度計が取得したデータを用いて地盤面の高さを正確に測定する技術を研究し、NTTデータが、衛星画像から作成した樹高等を含む地表面の高さモデルおよびレーザ高度計により測定した高さデータを用いて地盤面の高さモデルを正確に作成する技術を研究し、これらを掛け合わせて、樹木や植生に覆われた森林域における3D地図作成の技術課題の解決を図るとともに、防災をはじめとする多様な分野で活用される3次元地図の高精度化に取り組みます。本研究の成果を用いて、デジタル3D地図サービスにおいて世界のハザードマップ等の高精度化を実現することを目指します。

■アクション

 NTTデータは、JAXAが研究開発したレーザ高度計を使って地盤面の高さを正確に測定する技術で得られた高精度な高さデータと、衛星画像から作成した樹高等を含む地盤面の高さモデルを用いて、地面の高さモデルを正確に作成する技術を研究開発します。

 この研究成果を活用して、NTTデータは、同社の3D地図サービスにおいてハザードマップ等の高精度化を実現します。具体的には、これまで高精度のデータ取得には航空機等による観測が用いられていたため、ハザードマップ作成は先進国の主要な河川等に限定されてきましたが、人工衛星から広範囲に観測される高精度データを活用し、開発途上国を含む世界中のエリアへ拡大することを見込んでいます。

■今後の展開

 NTTデータは、JAXAと連携した今回の3D地図の高精度化を実現後に、研究成果を反映したさらなる高精度化したデータ解析技術の研究を進めるとともに、都市デジタルツインのスマートシティ分野や森林資源量把握の環境分野等への応用の研究を進める予定です。

 また、ハザードマップなどの災害発生前の活用にとどまらず、他のテクノロジーとの組み合わせにより、災害発生中における活用に関しても検証を進めています。

 今後もレジリエンス強化に繋がる新しいサービスを生み出すことにチャレンジいたします。

  

連携先

一般財団法人リモート・センシング技術センター

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

  

補足情報

AW3D® https://www.aw3d.jp/

  

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