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「日本初 再生可能エネルギー100%による世田谷線の運行を開始」脱炭素社会実現に向けた取り組み

東急株式会社

日本初!再生可能エネルギー100%による運行開始

再生可能エネルギー100%電力サービスの提供体制

東急世田谷線 路線図

概要

 東京急行電鉄株式会社(現在の東急株式会社(以下、当社)と東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄))⁽*¹⁾では、東急世田谷線(三軒茶屋駅-下高井戸駅)において2019年3月25日より、水力・地熱発電所で発電した再生可能エネルギー100%の電力による運行を開始しました。

 鉄道は他の交通機関に比べて、CO₂排出量が少なく環境負荷の低い乗り物であります。加えて、これまでも省エネ車両の導入や、電力消費に配慮した運転など消費電力を抑える取り組みを進めてきましたが、本取り組みでは低炭素社会、脱炭素社会への貢献の対象を「電力調達」にも広げたことで、「日本初⁽*²⁾の二酸化炭素排出量ゼロの都市型通勤電車」を実現しました。

 CO₂排出量削減効果は2019年度実績換算で、一般家庭の年間CO₂排出量約331世帯分に相当する1,157tとなります。地域密着型路線である東急世田谷線では、沿線の皆様と共に、引き続き持続可能な街づくりを進めてまいります。

 

説明

 当社は、東北電力株式会社(以下、東北電力)、株式会社 東急パワーサプライ(以下、東急パワーサプライ)の協力により、水力および地熱のみで発電した再生可能エネルギー100%の電力による世田谷線の運行を2019年3月25日より開始しました。

 当社は、サステナブル重要テーマの一つに「低炭素・循環型社会」の実現を掲げており、事業を通じた「省エネと再エネの最適利用を通じた低炭素、脱炭素社会への貢献」ならびに「資源の有効利用と生態系配慮の推進による循環型社会への貢献」を目指し、サステナブル経営を推進しています。本取り組みはその一環となります。

 東北電力は、東北・新潟エリアに豊富に賦存する再生可能エネルギーを将来にわたり有効活用していくため、再生可能エネルギー事業の拡大を進めるとともに、お客さまの多様なニーズにお応えするサービスの充実に取り組んでいます。

 東急パワーサプライは、東北電力の取次事業者として本取り組みに参加しており、生活者のみなさまが身近に利用する都市型通勤電車への電力サービスの提供を契機として、将来にわたり沿線生活におけるさまざまな環境課題への対応に取り組んでいきます。

 本取り組みにより東急世田谷線は、都市型鉄軌道線における日本初⁽*²⁾の再生可能エネルギー100%の電力による通年・全列車の運行となりました。CO₂排出削減効果は2019年度実績換算で、一般家庭の年間CO₂排出量約331世帯分に相当する1,157tとなり、今後運行本数が増して電力量が増えた場合でも、CO₂排出量はゼロのままで増加することはありません。また本取り組みは、第11回EST交通環境大賞にて、地域の交通環境対策に関する最も優れた取り組みとして、環境大臣賞にあたる大賞を受賞したほか、沿線の皆様を含めて社会からの良好な評価もいただきました。

 昨今では、地球温暖化による気候変動に対し、社会の生活基盤を担う当社の事業の中で、街づくりにおける環境への配慮は欠かすことのできない重要な要素となっています。今後、環境負荷低減を図りながらサステナブル経営を推進するためには、長期的な視点を持つことが求められます。

 そこで当社は2019年9月に策定した長期経営構想のもと、「長期環境目標(CO₂排出量)」として、2050年までに事業で使用する電力を再生可能エネルギー100%で調達する「CO₂排出量ゼロ」を目指すことにいたしました。

 これに伴い、2019年10月には日本の鉄軌道事業を含む企業グループとして初めて、再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「RE100」に加盟しました。

 今後も当社は、省エネルギーと再生可能エネルギーの最適利用を積極的に推進し、事業活動の低炭素、脱炭素化社会に向けた取り組みを確実に進めてまいります。

  

(*1)2019年9月2日東京急行電鉄㈱から東急㈱に商号変更、同年10月1日東急電鉄㈱を会社分割

(*2)当社、東北電力、東急パワーサプライの3社合同による取組事例調査の結果

  

(参考)

■再生可能エネルギー100%電力サービス(以下、再エネ電気)の提供体制  

 上記のとおり

■再エネ電気の概要 

 東北電力および同社グループ企業で水力、地熱、風力および太陽光による発電を行う総合再生可能エネルギー発電事業会社である東北自然エネルギー株式会社が保有する一部の水力発電所および地熱発電所(いずれもFIT適用外)で発電されたCO₂排出ゼロの再生可能エネルギー由来の電力。

■再エネ電気の使用範囲 

 本線・車庫内における電車運行

■東北電力による東急への再エネ電気の証明

・東急世田谷線の電力使用量実績と、再生可能エネルギー電気を供給する水力・地熱発電所の発電電力量実績を確認し、全時間帯において使用電力量の全量が再エネ電気であることを証明。また、2020年4月からのエネルギー供給構造高度化法に基づく制度改正にも対応し、非化石証書も組み合わせて調達することで引き続き、RE100の要件に適合。

・「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」にもとづき、メニュー別排出係数(0㎏-CO2/kWh)として、経済産業省および環境省が電気事業者からの報告を集計し、毎年7月頃にウェブサイトで公表。

■世田谷線

・世田谷区東部を縦断する地域密着路線で、三軒茶屋から下高井戸まで約5km、10駅を結ぶ。東京では都電荒川線とともに残る数少ない路面電車。

※一日平均輸送人員 58,003人(2019年度)

  

連携先

東北電力株式会社

 https://www.tohoku-epco.co.jp/

株式会社 東急パワーサプライ 

 https://www.tokyu-ps.jp/

  

補足情報

東急株式会社

 https://www.tokyu.co.jp/company/

  

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