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燃料電池セパレータの技術開発・普及拡大

日清紡ホールディングス株式会社

概要

 日清紡ケミカル株式会社は、日清紡グループの化学品事業を担う中核会社として、環境・エネルギー関連製品を提供しています。独自開発したセパレータ部材は燃料電池1台あたりに数十枚から数百枚使用される基幹部品です。

 セパレータ部材は、一般に“流路”と呼ばれるガスを流す機能を持ちながら、発生する電気を外部へ伝える部品で、高い品質と性能、低コストが求められます。当社は1990年代より開発を続けて培った技術と知見・実績をもって、多くのお客様のご要望にお応えしています。

 家庭用燃料電池エネファームにおいては、2009年に採用され、以後10年間にわたり高いシェアで実績を積み、現在では産業用、車載用といった様々な用途の燃料電池に採用されています。今後も「脱炭素社会」「循環型社会」の実現に向けて、プロダクト及びプロセスイノベーションを図り、燃料電池のグローバルな普及・拡大に貢献して行きます。

 

説明

 当社では、燃料電池の1つである固体高分子形燃料電池について、セパレータ部材の開発・製造・販売を行っています。

 固体高分子形燃料電池セパレータ(以下、“セパレータ”)は、ガスケット、MEA(膜電極接合体:Membrane Electrode Assembly)の両側に配置され(図1)、①強度、②耐食性、③ガスバリア性、④導電性、⑤寸法精度が部品機能として求められます。

 燃料電池は主としてセパレータ、ガスケット、MEAからなる“単位セル”が、数十から数百セル直列に接続された集合体『スタック』で発電をおこないます。万が一、セパレータに1枚でも不具合が生じた場合、発電が出来なくなるため、高い信頼性が求められます。また、燃料電池は従来の発電デバイスと競合する用途が多く、部品コストも非常に重要です。当社では、上記①~⑤の部品機能を確保しながら、高い信頼性と低コストを実現する量産技術の開発を行っています。

 一方、当社では四半世紀に渡る開発の歴史の中で世界の有力燃料電池メーカーとの関係を深めてきました。更に燃料電池は発電時に有害物質を排出しない、ゼロエミッションであることから、各社で車載用についての開発が進められています。当社セパレータも、2010年のバンクーバー五輪のバス、Daimler B Class等に採用され、車載用部品として重要な軽量という特徴を生かし、当社セパレータは実績を積み重ねています。

 こうした家庭、定置、車載といった幅広い分野での有力メーカーとの密接な関係を生かしながら、お客様のご要望を満たすセパレータの製造・販売を通して、様々な用途の燃料電池のグローバルな普及・拡大に貢献します。

 

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