世界初のLNG発電船事業による環境負荷低減
株式会社商船三井
概要
当社とKaradeniz Holdings A.S.社は、当社とKaradeniz Holdings A.S.社の子会社であるKarpower International B.V.社が“KARMOL(カルエムオーエル)”のブランドの下、モザンビークにて世界初の液化天然ガス(LNG)発電船事業を共同で実施することに合意しました。
KARMOL によるLNG 発電船事業は、浮体式LNG 貯蔵再ガス化設備(FSRU)でLNGを再ガス化して発電船に送り、発電船がそれを受け取り発電、陸上の送電設備を通じて送電する仕組みで、当社が長年に亘り培ってきたLNG船・FSRU への知見、およびKarpowershipが保有する発電船の知見を組み合わせることで、今後も発展的な発電ソリューションの提供が可能となります。プロジェクトの予定地であるナカラでは現在、発電船が重油での発電を行っていますが、FSRUの現地到着後、LNGでの発電に切り替えていくこととなっています。LNGへの切り替えにより、従来の重油焚き発電設備に比べ環境負荷の低減に貢献します。
説明
当社とKarpowership社(トルコに本拠を構えるKaradeniz Holdings A.S.社の中核となる発電船事業を行う子会社、以下「Karpowership」)が“KARMOL(カルエムオーエル)”のブランドの下、モザンビークにて世界初のLNG発電船事業を共同で実施することに合意しました。
LNG発電船事業とは、浮体式LNG 貯蔵再ガス化設備(FSRU)(*1)でLNGを再ガス化して発電船(*2)に送り、発電船がそれを受け取り発電する仕組みです。発電された電気は、陸上にある送電設備を通じ、モザンビークの国営電力会社に供給されます。本事業は、LNGの受入れから、FSRUによる再ガス化、発電船による電力供給まで一気通貫で提供する革新的なソリューションであり、また、東南アフリカにおいて最初のLNG発電ソリューションとなります。
本事業の予定地であるナカラでは現在、発電船が重油での発電を行っていますが、FSRUが既存LNG船からの改造を終え現地に到着した後は、LNGでの発電に切り替えていくこととなっています。LNG発電への切り替えにより、従来の重油焚き発電に比べ環境負荷を低減することができます。
この数年でモザンビークは急激に経済成長を遂げており、それに伴い安価で安定した電力需要も増大しています。本事業は、モザンビークの人々へ安定して信頼できる電力供給をもたらすとともに、モザンビーク国内のLNGを使用するための重要な設備ともなります。
また、KARMOLのLNG発電船ソリューションは、移動可能な船としての性質を活かし、多様な電力ニーズに柔軟かつ短納期で対応することが可能であり、初期投資も最小限に抑えることができます。そのため、地理的制約等から陸上の発電所建設が困難であった島嶼国や途上国でも活用が可能です。発電船とFSRUと組み合わせることで、重油に比べ環境負荷の小さいLNG燃料での発電が可能であり、環境負荷の低減に貢献します。
当社とKarpowershipは今後とも世界中で、コスト競争力に優れ、環境負荷低減にもつながるLNG発電船事業の提案を続けてまいります。
(*1) Floating Storage and Regasification Unitの略。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプラインへ高圧ガスを送出する能力を持ちます。
(*2) Karpowershipは2007年、最初の浮体式発電設備である発電船の建造を開始しました。KaradenizはKarpowershipの世界的ブランドで発電船隊を管理する会社であり、世界初の発電船隊の唯一の所有・運転・建造者として、世界中に2,500人の従業員を擁して中長期的な投資を積極的に行っています。Karpowershipは足元ではインドネシア、ガーナ、モザンビーク、ガンビア、シエラレオネ、レバノン、セネガル等の諸国に合計 22隻の発電船隊を展開し保有・操業しています。
連携先
Karadeniz Holdings A.S.社
Karpower International B.V.社
補足情報
株式会社 商船三井 プレスリリース
https://www.mol.co.jp/pr/2019/19064.html
https://www.mol.co.jp/pr/2019/img/19022.pdf
Karpower International B.V.社 HP
http://www.karpowership.com