水素社会の実現に向け、世界初の液化水素運搬船の実証試験に協力
川崎汽船株式会社
概要
当社は、「水素社会」の実現に向け、豪州における未利用褐炭から製造されたCO2フリー水素を液化し、日本へ輸送する国際的なサプライチェーン構築にむけた実証事業に取り組む「技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(以下「HySTRA」*)」に、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の運航支援を行う企業メンバーとして参画。
豪州と日本におけるパイロット水素サプライチェーン実証事業のうち、HySTRA は
① 褐炭ガス化技術
②液化水素の長距離大量輸送技術
③液化水素荷役技術
の各実証試験に取り組んでいるが、当社は、②液化水素の長距離大量輸送技術の実証試験に協力して行く。
当社では、LNG、LPG 等の液化ガス輸送船の保有・運航に長年にわたり従事し、安全な運航や荷役に対しての技術と知見を蓄積しており、こうした実績をふまえ、「すいそ ふろんてぃあ」の国内における運航試験(実証試験)に、安全運航・管理技術の提供を通じて貢献する。
説明
HySTRA*は、将来における安価で安定的なCO2 フリー水素の供給に向け、「褐炭からの水素製造」、「液化水素の長距離大量輸送」および「液化水素荷役」という製造、輸送・貯蔵、利用に至るサプライチェーンで必要となる技術の確立と実証を目的として、2016 年に結成。現在、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の支援を受け、パイロット実証に取り組むとともに、2030 年頃の当該技術の大規模な社会実装に向けて商用化検討を実施している。
当社は、LNG、LPG 等の液化ガス輸送船の保有・運航に長年にわたり従事し、安全な運航や荷役に対しての技術と知見を蓄積。こうした実績をふまえ、今回のパイロット実証において、当社は、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」(2019年12 月11 日に川崎重工業株式会社神戸工場にて進水)の国内における運航試験(実証試験)に、安全運航・管理技術の提供を通じて貢献する。
水素の長距離大量輸送は世界初となり、LNG、LPGを上回る超低温輸送であること、(LPG:マイナス43℃ LNG:マイナス162℃、液化水素マイナス253℃)また特性の違いにより、船舶での輸送面においても新たなチャレンジとなる。
当社では環境に関わる長期指針「環境ビジョン2050」に基づいてGHG 排出削減の取り組みを促進し、世界中の多くの人々へ環境により低負荷で高効率な物流サービスを提供しており、今回、低炭素社会、脱炭素社会実現を実現するエネルギーの有力候補と目される水素のサプライチェーン構築に寄与することが当社の理念に合致すると考え、HySTRA への参画を決定した。
*HYSTRA
(組織名)技術研究組合 CO2 フリー水素サプライチェーン推進機構(略称 HySTRA)
(設立)2016 年2 月
(組合員)岩谷産業株式会社、川崎重工業株式会社、シェルジャパン
株式会社、電源開発株式会社、丸紅株式会社、JXTG エネルギー株式会社、当社
(事業内容)褐炭を有効利用した水素製造、輸送・貯蔵、利用からなるCO2フリー水素サプライチェーンの構築を実現するため、2030 年頃の商用化を目指した、技術確立と実証。
連携先
岩谷産業株式会社
川崎重工業株式会社
シェルジャパン株式会社
電源開発株式会社
丸紅株式会社
JXTG エネルギー株式会社