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小規模離島における再エネ導入拡大への挑戦

沖縄電力株式会社

MGセット系統接続イメージ

MGセット導入による再エネ最大化運転イメージ

概要

小規模離島において、再エネの導入拡大を目指す際、系統運用の問題を含め様々な課題があるが、その課題の1つとして、主電源であるディーゼル発電機(以下、「DG」という)の下げ代問題がある。この問題は、DGの機械的特性上、定格出力の50%以上の出力で運用する必要があるため「DG運用下限出力+再エネ出力>需要電力」となる場合、再エネ出力を制限しなければならない事象である。そこで、DGと同等の機能を有し、運用下限がなく稼働できるモータ発電機システム(以下、「MGセット」)を導入する事で、再エネ導入拡大に寄与することが期待できる。

説明

【MGセット】
当社は、波照間島においてDGと可倒式風車(以下「WT」)にて電力を供給している。WTは系統安定化装置にて出力変動抑制をするとともに、需要が低い時期は、DG運用下限制約によりWTの出力制限を行って運用してきたが、再エネ導入拡大を目指すために沖縄県の委託を受け、MGセットの実証研究を行っている。
MGセットは、主に同期発電機・誘導電動機・インバータ・蓄電池で構成されており、駆動源が電動機となる為、運用下限の制約がない。また、MGセットはDG同等の制御機能を有しており、DG代替として運用することで、これまで抑制していたWT出力の拡大が可能である。

本システムの特質すべき点は、これまで制限していたWT出力を有効に活用できることに加え、DG同等の機能(周波数維持機能、電圧維持機能、慣性力)を有するとともに、再エネ導入拡大を目指す上で制約となるDGの運用下限への制約が無い装置として商用電力系統において活用されていることである。
これまでの実証にて、需要電力約300kWに対し、WTにより得られる発電出力200~400kW断面でDGを全て停止し、WT+MGセット+系統安定化装置の運転で再エネ100%による電力の供給(約2時間の連続運転)と本システムが安定的に運用できることを確認した。今後は、他離島展開も見据えた本システムの運用方法等を実証研究を通し確認していく。

【MGセット基本仕様】
(1) 同期発電機
形式:回転界磁型同期発電機
定格出力:300kW(力率0.8)
定格電圧:6,600V
定格電流:32.8A
極数:4
周波数:60Hz
回転数:1800min-1(定格)
励磁方式:ブラシレス励磁方式

(2) 駆動用電動機
形式:かご型誘導電動機
定格出力:330kW
定格電圧:260V/340V
定格電流:850A/650A
極数:4
回転数:1800min-1(定格)

【主な制御機能】
① ガバナフリー制御(GF制御)
② 自動電圧制御(AVR制御)
③ 自動無効電力調整制御(AQR・APFR)

連携先

沖縄県 産業政策課

補足情報

環境行動レポート 地球環境対策の推進
http://www.okiden.co.jp/environment/report2019/sec3/sec33.html

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