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人工光合成の実用化による炭素資源多様化への挑戦

株式会社三菱ケミカルホールディングス

概要

三菱ケミカルホールディングスグループは、深刻化する環境問題、資源問題を解決し、持続可能な炭素循環を実現するために、太陽光の下、水の分解で得られた水素と二酸化炭素から化学品原料やプラスチックを製造する人工光合成・化学品製造プロセスの研究開発に取組んでいます。このプロセスは光触媒による水の分解、水素分離膜等による水素の安全な分離回収、そして水素と二酸化炭素から革新的な触媒を用いて低級オレフィン合成する3つの技術を核として構成されます。現在、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発プロジェクトの研究推進組織である人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)への参画を通じて、実用化に向けた取組みを進めています。

説明

人工光合成・化学品製造プロセスは、産官学の複数事業者が連携し※1、2030年代の実用化を目指しています。また日本国政府の「環境エネルギー技術革新計画(2013年内閣府総合科学技術会議)」や「科学技術イノベーション総合戦略2017(2017年内閣府総合科学技術・イノベーション会議)」等でも環境やエネルギーの諸問題の解決に資する革新的技術と位置付けられています。
この人工光合成・化学品製造プロセスの実用化を目指し、下記の目標達成に向けた研究開発が進められています。

=人工光合成・化学品製造プロセスの研究開発目標=
・光触媒等のエネルギー変換効率10%の達成
・変換効率を最大限引き出し、長期耐久性も兼ね備えたモジュールの設計
・水素を安全に分離可能な長期耐久性も兼ね備えたモジュールの設計
・投入された水素又は二酸化炭素由来の炭素の目的とする炭素数2~4の単独オレフィンへの導入率として、それぞれ70%(ラボレベル)の達成。
・単独オレフィン製造用の小型パイロット規模のプロセス確立
人工光合成・化学品製造プロセスの実用化は、石炭や石油等の枯渇性資源に依存しない基礎化学品やプラスチックの製造を大きく推進すると同時に、二酸化炭素排出量の大幅な削減により、気候変動・温暖化問題等、さまざまな環境課題の解決にも貢献するものと考えています。 産業革命以降の化石資源の大量消費によりバランスを崩した炭素の循環を適切な姿に回復させ、あるべき炭素の輪廻を再興することは、私たち三菱ケミカルホールディングスグループにとっての究極の使命であると考えています。人工光合成・化学品製造プロセスの実現は、そのための大きな一歩になると信じています。

※1・・・実用化まで長い期間を要するハイリスクな「基盤的技術」に対して、産学官の複数事業者が互いのノウハウ等を持ち寄り協調して実施ことを目的として、人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)を組織して研究開発を推進しています。

連携先

人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

補足情報

新エネルギー・産業技術総合開発機構の二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発
https://www.nedo.go.jp/activities/EV_00296.html

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