高経済性小型原子炉の国際共同開発
株式会社日立製作所
概要
安全でクリーンな原子力発電が市場競争力を高めるには,他電源より低い発電コストと,資本費および資本リスクの低減が必要である。このようなニーズに応えるため,日立GEニュークリア・エナジー株式会社は,米国GE Hitachi Nuclear Energyと共同で,BWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)の特長を生かした高経済性小型原子炉(BWRX-300)の開発を進めている。経済性向上に向けて,小型原子炉のスケールデメリットを克服し,大型原子炉を大幅に下回る建設単価の実現をめざす。
説明
BWRX-300は,原子炉一次冷却材圧力バウンダリの信頼性を高め,原子炉の主要な事故想定である冷却材喪失事故を設計基準事故から排除する革新的な概念を採用した。出力当たりの原子炉建屋物量を大型原子炉の半分程度に削減するとともに,工場完成型一体据付による建設費および建設リスクの大幅低減,建設工程の短縮を図る。
今後は,日米共同開発を軸に,原子力政策の反映,ユーザー意見の取り込みなど,社会的受容性を高め,クリーンエネルギーへの投資喚起を念頭に技術開発を実施していく予定である。
連携先
米国GE Hitachi Nuclear Energy