全運用資産に脱炭素化の視点を組み込み、技術開発・普及を後押し
日本生命保険相互会社
概要
・当社は、以前から、環境問題の解決や社会貢献に資する投融資を積極的に実施してきた。近年では、ESG投融資を強化しており、テーマ投融資においては、脱炭素社会の実現に資する技術の開発・普及等を資金使途とする投融資を実施している。
この他、環境領域を含むESG要素を投資プロセスへ組込むESGインテグレーションや、環境領域における取組状況を含め投融資先企業との建設的な対話を行うエンゲージメント等、様々な手法を活用して取組を推進している。
・将来的には、これらのESG投融資手法を中心に、運用資産の全てに脱炭素社会の実現に向けた視点を体系的に組み込むことで、投融資先企業等のネット・ゼロエミッション技術等の開発・普及に向けた取組を後押ししていく。
説明
・当社は、以前から生命保険事業の使命や公共性をふまえ、環境や地域・社会と共生し、経済・企業と安定的な成長を共有していく観点から、環境問題の解決や社会貢献に資する投融資を積極的に実施してきた。
・近年では、パリ協定やSDGsなど、世界が持続可能な社会の実現に向けた取組を進めていく昨今の流れを受け、①テーマ投融資、②ESGインテグレーション、③エンゲージメント等の様々な手法を用いてESG投融資を強化している。
① テーマ投融資について
現行の中期経営計画期間(FY2017-2020)において7,000億円の数量目標を掲げており、ネット・ゼロエミッション技術の研究・開発を資金使途とする投融資を含めて、環境領域には約4,700億円の投融資を実施している。
今後も、脱炭素社会の実現に資する技術の開発・普及等を資金使途とする投融資に、積極的に取組んでいく。
<これまでのテーマ投融資事例(環境領域)>
・ 東京都やドイツ農林金融公庫が発行するグリーンボンド等への投資
・ 秋田県での洋上風力発電プロジェクトをはじめとする国内外の再生可能エネルギープロジェクトへの融資
・ 環境に配慮した不動産投資(外部認証の取得)
② ESGインテグレーションについて
資産特性を踏まえたうえで、投融資のプロセスに環境領域を含むESG要素を組み込んでいる。脱炭素社会の実現に向けて前向きな取組を進めている企業等については、その取組を評価し、投融資判断に反映していくことで、ネット・ゼロエミッション技術のイノベーションの開発・普及を後押ししていく。
③ エンゲージメントについて
投融資先企業との建設的な対話に注力している。特に、CO2排出量の多い特定の業種等とは、イノベーション創出に向けたチャレンジを含む、環境領域における取組状況について対話を実施している。今後は、丁寧な対話活動を継続するとともに、対話結果の投融資判断への反映強化等を検討していく。
<2018年度の対話実績>
・ E(環境)、S(社会)に係る対話を株式保有先のうち195社と実施
・ 特に、CO2排出量の大きな業種等16社は、環境を特定のテーマとする対話でCO2等削減取組状況を確認
・ 債券の発行体に対しても、グリーンボンドの発行等の環境取組の働きかけを実施
・ 将来的には、これらの①~③のESG投融資手法を中心に、運用資産の全てに脱炭素社会の実現に向けた視点を体系的に組み込むことで、投融資先企業等のネット・ゼロエミッション技術等の開発・普及に向けた取組を後押ししていく。
(参考)
・上記の取組みについては、外部機関からも高い評価を得ている。
‐ 2019年PRI年次評価において、4分野で最高評価「A+」を獲得
‐ 2019年3月発表の環境省主催のジャパン・グリーンボンド・アワードにおいて、環境大臣賞を受賞