燃料電池車の本格普及に向けた低コスト化・高耐久化・高効率化のための研究開発
トヨタ自動車株式会社
概要
・ 燃料電池車の本格普及に向けて、燃料電池システムの更なる低コスト化・高効率化
・ 高耐久化が必要。具体的には経産省の2030年水素・燃料電池戦略ロードマップ(FCシステムコスト<0.4万円/kW、最大出力出力密度6.0kW/L、乗用/商用車耐久性15年以上)や、NEDO(経産省)の2040年頃技術開発目標(FCシステムコスト<0.2万円/kW、最大出力密度9.0kW/L等)を実現するために、電解質膜、触媒、カーボンファイバーなどの新規材料開発や電気化学反応の現象解析など基礎に立ち返った研究に産学連携で取り組む。
・アクションプランとして、燃料電池システムについては、
① 電解質膜に関して、クロスリークを防止し、耐久性も維持・向上させる技術開発を行うと共に
② 触媒として使用されている貴金属に関して、触媒としての性能や耐久性を維持・向上させつつ、使用量の低減や他の触媒への代替を図る技術開発を行う。
水素貯蔵システムについては、車載水素タンクの大きなコストを占める炭素繊維の使用量低減、効率的な巻き付けなどに関する技術開発を行う。
説明
・ 燃料電池自動車の燃料電池システムのうち、電解質膜は特に大きなコストを占めると考えられており、また、触媒中の貴金属は車両の大量生産後も一定のコストを占めると考えられていることから、これらの研究開発が重要である。加えて、大量生産技術の確立のため、量産化の技術開発も並行して取組む必要がある。
・ 水素貯蔵システムについては、車載水素タンクのコストのうち大部分を占める炭素繊維の使用量低減や新たな材料開発、巻き付け工程の効率化・樹脂硬化時間の短縮等の量産化技術の開発が重要となる。
・ 今後、これらの要素技術や車種展開について達成状況を定期的にフォローアップしていくことが重要である。また、こうした取組を後押しするため、自動車会社は協調領域の技術情報や課題を共有し、大学や研究機関が解決策を提案していくなど、産学官が連携した多層的な技術開発の体制を構築していく。
連携先
NEDO、FC-Cubic、山梨大 等