軽量・コンパクト・高性能のタイミングチェーンドライブシステムの開発
株式会社椿本チエイン
概要
カーメーカーA社に採用されているタイミングドライブシステムは製品の形状、材質の最適化や軽量化を実施した。また、システムで使用するエンジン油量の大幅な削減によるオイルポンプの小型軽量化にも寄与しており、エンジン運転状態で発生する摩擦を減少させることに成功している。
実施例として、タイミングチェーンの摺動部分の形状をトライボロジーの考え方を取り入れて摺動対象のシューとのフリクションを低減している。また、シューの材質もチェーンの摺動をより向上させる材質とする事で一層の効果を得る事が出来た。
この効果により、燃費向上の一部ではあるがシステムとして貢献する事が出来ており、Co2排出量削減の1端を担えた。
説明
・到達目標:
現仕様による燃料削減率0.1%を超える0.2%の達成と、他機種への同思想で構成されたシステムの採用拡大を図り、各社で開発中のコンベENG、HEV、PHEVの内燃機関の燃費向上に貢献する。
・課題:
形状による削減効果代の限界の見極めと軽量化に伴う強度低下の背反をバランスさせる新材料の採用や構造・機能の見直しを行うための研究開発
・効果:
2.5Lガソリンエンジンは従来の同排気量に対して、3.3㎞/L(搭載車両のカタログより平均値を算出)の燃費が向上している。
これによるCO2排出量削減効果として、1100t・CO2/年@2019(実績)8600t・CO2/年@2050の削減に貢献(想定)
検討条件は以下。
販売台数:139万台/年@2019(実績)、2050年度1100万台(推定)で算出。
対象エンジン搭載車両の平均燃費:25.2㎞/L
年間走行距離:8700㎞。CO2排出係数:2.322㎏-Co2/L
現時点での効果をより拡大させる為、削減率を2倍とし、1.6万t・CO2/年@2050を狙う。