難処理古紙利用によるリサイクル燃料の有効活用
大王製紙株式会社
概要
当社はこれまで古紙の高度利用を進めており、業界平均を上回る古紙利用率を達成しています。
更なる古紙の高度利用を促進させるために、異物(CDやDVDなどのプラスチック類)の混入が多く焼却処分されている古紙をリサイクルすることにチャレンジします。
当社グループの独自技術で古紙とプラスチック類を自動分別し、古紙は製紙原料として利用し、分別されたプラスチック類は化石燃料代替として発電用リサイクルボイラーの燃料とします。焼却処分されていた廃棄物からエネルギーを回収し、バリューチェーン全体で温室効果ガスを削減します。
説明
製紙業は、古くより古紙から再生紙を作るなどリサイクルを盛んに行ってきた業界です。エネルギーにおいても地球温暖化が問題となる以前より、パルプ蒸解廃液(黒液)や原料として利用できないバーク(木の皮)、古紙を再生する際に出てくる製紙スラッジなど、現在ではバイオマス燃料と呼ばれるものを燃料として有効利用・リサイクルしてきた歴史があります。
当社でもこれまで利用が難しい古紙の使用を拡大させることにより、業界平均を上回る古紙利用率となっており、燃料においても工場内で発生する黒液、製紙スラッジを燃料とする発電用ボイラーを有しています。また、業界に先駆けて建築廃材を主燃料とするバイオマスボイラーも稼動させてきました。
更なるリサイクルを促進するため、当社では従来廃棄物として処分されていた難処理古紙を段ボール原紙の原料として利用していきます。離解設備(パルパー)の改造や除塵設備(スクリーン)の改良・増強をすることで多様な種類の古紙を利用しています。
しかし、難処理古紙には、雑誌の付録として付いているCDやDVDなどのプラスチック類やビニール貼り表紙、各種ラミネート加工品などの紙以外の異物が多く含まれています。
当社の独自技術であるエアロソーター(ダイオーエンジニアリング製)では難処理古紙を粉砕した後、自動で紙と異物に分別することができます。これにより分別された古紙は原料に、異物(プラスチック類)は燃料にリサイクルすることで難処理古紙の利用を更に進めて行きます。
2023年には、当社グループである福島県のいわき大王製紙に様々な形状・成分(高塩素)のプラスチックが燃焼可能なリサイクル発電設備を導入し、購入電力や化石燃料を削減することで59%の省エネルギーを行う計画です。
今後も大王製紙グループは、リサイクル燃料の有効利用を通じて環境負荷低減の取り組みを継続していきます。
補足情報
詳細は、当社ホームページを参照下さい。
https://www.daio-paper.co.jp/csr/organic/waste/